小池200メートル初Vも、100メートルと2種目五輪は“NO”　リレー金戦略で難しい選択

陸上・日本選手権兼東京五輪代表選考会最終日 （ 2021年6月27日    大阪・ヤンマースタジアム長居 ）

男子200メートル決勝、デーデー・ブルーノ（右）を振り切って初優勝を飾った小池祐貴。左は飯塚翔太（撮影・北條　貴史）
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　日本陸連の麻場一徳強化委員長は27日、日本選手権後の記者会見で、男子の200メートルを制して東京五輪代表に決まり、100メートルでも代表入りが有力な小池について、本人や所属先の関係者らと相談して出場種目を決める方針を明らかにした。

　日本陸連は400メートルリレーで金メダルを目指す戦略として、選手の負担を減らすために100メートルと200メートルの両種目に出場するには、日本選手権で2冠を達成することなどの条件をつけていた。小池は種目選択について「陸連の意向もある。どちらも内定をもらえたらその時点で考える。コーチと相談して決めたい」と複雑な心境を語った。

　仮に小池が200メートルを選んだ場合、100メートル5位の桐生祥秀（25＝日本生命）が代表入りする可能性が高まるが、麻場委員長は「仮定の話をここでするのはまずい。全てを含めて当事者、コーチと打ち合わせをして、選手が得た権利なので納得する形にしたい」と話すにとどめた。

　7月1日に世界ランキングでの五輪出場資格獲得者が公表される予定で、日本陸連は同2日に代表選手を発表する予定。

　《20秒46初制覇》小池が20秒46で初制覇し、初の五輪代表に決まった。今季は不発が続いていただけに「勝つっていいなと思った」としみじみと語った。19年世界選手権後から満足のいくレースができていなかったといい、初戴冠を浮上のきっかけにするつもりだという。「ベストパフォーマンスの出し方が感じ取れた」と五輪に向けて手応えをつかんでいた。

　◆小池　祐貴（こいけ・ゆうき）1995年（平7）5月13日生まれ、北海道出身の26歳。200メートルで18年ジャカルタ・アジア大会優勝。100メートルは19年日本選手権で3位となり、同年7月に日本人3人目の9秒台となる9秒98をマーク。19年世界選手権は400メートルリレーを含め3種目に出場した。北海道・立命館慶祥高、慶大出、住友電工。1メートル73。