“超人”田中希実 800メートル3位の30分後に5000メートルでも3位

[ 2021年6月28日 05:30 ]

陸上・日本選手権兼東京五輪代表選考会最終日 ( 2021年6月27日    大阪・ヤンマースタジアム長居 )

女子800メートル決勝、優勝した卜部蘭(左)らに追いすがるも3位に終わる田中希実(中央)(撮影・北條 貴史)
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 女子5000メートルは、既に女子5000メートル代表に決まっている田中が、超人ぶりを見せつけた。3位に入った800メートルの約30分後に5000メートルのスタートラインに立ち、広中、新谷に次ぐ3位。

 「最後まで粘り切れたので、800の3位よりうれしかった」と振り返り、「こんな日は今後、陸上を続ける中で二度とないかもしれない。思い出にもなる」と充実感を漂わせていた。

 《広中&新谷 1万メートルに続き2種目目内定》広中は中盤からライバルを引き離し、15分5秒69と上々のタイムで初優勝。1万メートルに続いての代表入りにも「ラストにかけて力みが出た。もう少し自分らしい走りをのびのびできればよかった」と反省が口をついて出た。

 一方、新谷も日本記録を持つ1万メートルに続き、2位で2種目目の代表。レース前は不安から棄権することも考えたが、「ここで逃げたら五輪なんてもっと怖い」と自らを奮い立たせた。「応援してくれる人がいるから今走ることができる」と周囲の支えに感謝していた。

 ◆広中 璃梨佳(ひろなか・りりか)2000年(平12)11月24日生まれ、長崎県出身の20歳。都道府県対抗女子駅伝で中学3年時から5年連続区間賞。19年に日本郵政グループに進み全日本実業団対抗女子駅伝でも2年続けて区間賞。今年5月に1万メートルで東京五輪代表入り。5000メートルは昨年、日本歴代3人目の14分台をマーク。長崎商出。1メートル63。

 ◆新谷 仁美(にいや・ひとみ)1988年(昭63)2月26日生まれ、岡山県出身の33歳。全国高校駅伝1区で3年連続区間賞。1万メートルで12年ロンドン五輪9位、13年世界選手権5位。14年に一度引退し18年に復帰。20年にハーフマラソンで日本新。同年12月の日本選手権1万メートルを30分20秒44の日本新記録で制し東京五輪代表に決定。岡山・興譲館高出、積水化学。1メートル66、44キロ。

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