渋野、ラウンド後号泣 キャディーコロナ感染、4度の池ポチャ…「不安だったけど、回り切れて良かった」

[ 2021年6月28日 02:30 ]

米女子ゴルフツアー 全米女子プロ選手権最終日 ( 2021年6月26日    ジョージア州 アトランタ・アスレチック・クラブ=6740ヤード、パー72 )

全米女子プロ選手権第3日をプレーする渋野(AP)
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 渋野日向子(22=サントリー)は帯同キャディーが新型コロナウイルスの陽性判定を受けローカルキャディーを起用したが、インスタートの17番で4度池に打ち込み10打を叩くなど76と崩れた。通算6オーバーで57位から68位に後退し東京五輪代表入りは絶望的となった。全米女子オープン覇者の笹生優花(20=ICTSI)は75で回り2オーバーの42位。ネリー・コルダ(22)、リゼット・サラス(31=ともに米国)が15アンダーで首位に並んだ。

 涙が止まらなかった。ホールアウト後、渋野は「凄い不安だったけど、回り切れて良かった」と言って泣きだした。「(観客の)皆さんの声援が力になった」と頬を拭った。

 アクシデントに見舞われた。前夜、帰国に備えて受けた新型コロナウイルスの検査結果が届いた。日本人の帯同キャディーが陽性と判定されコースに入れなくなった。

 自身は陰性で、プレーできるかどうかの連絡を深夜まで待っていたが、結論が出ないまま就寝。この日朝の再検査でも陰性となり、出場を許可された。

 急きょ地元在住のローカルキャディーとコンビを組んだ。自ら歩測し、今大会で使用が許されている距離測定器も駆使し、風も自分で読んだ。英語が話せないため、バッグを託すユセフ・ワゼールディンさん(50)とは十分にコミュニケーションが取れない中、笑顔で声を掛け合うなど序盤は順調だった。

 ところが17番パー3で悲劇が起きた。第1打をグリーン手前の池に打ち込むと、ドロップゾーンからの第3打、第5打、第7打も池へ。ドロップゾーンと別のティーの距離とを勘違いしたのが原因だった。「前のティーの距離で計算していた。全く気づけないくらい動揺しちゃってた。自分がバカだった」

 第9打で乗せて2メートルのパットを決めたが、4度の池ポチャで10打を叩いた。「力不足。ショックだった」。順位も一時最下位まで後退した。しかし投げ出さず後半は3バーディーを奪った。「あれだけ(池に)入っちゃえば、切り替えやすかったのかな」と笑った。

 メジャー2勝目も、単独5位以内が条件の東京五輪代表入りも極めて厳しくなった。それでも渋野は「明日は今日よりましなプレーができるように頑張りたい」と前を向いた。

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