渋野は4位 日本勢初のメジャー2冠ならず、スコア落とし逆転許す「これが今の実力」 全米女子オープン

[ 2020年12月15日 05:30 ]

米女子ゴルフツアー 全米女子オープン 最終日 ( 2020年12月14日    テキサス州ヒューストン・チャンピオンズGCサイプレイスクリークC=6399ヤード、パー71 )

全米女子オープン最終日の最終ホールでバーディーを取り、キャディーと握手する渋野日向子(AP)
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 悪天候のため前日から順延されていた全米女子オープンの最終ラウンドは、14日(日本時間同日深夜)に再開。1打差の単独首位で残り18ホールを迎えた渋野日向子(22=サントリー)は2バーディー、5ボギーの74で回り通算1アンダーで4位に終わった。

 首位と5打差の9位から出た世界ランク94位の金アリム(韓国)が6バーディー、2ボギーの67と伸ばし通算3アンダーで初のメジャー制覇を果たした。

 気温は6度にまで低下するなど極寒との戦い。渋野は序盤からショットが乱れ、2番パー4で左ラフからの2打目を手前の木に当てるミスでボギーが先行した。5番パー5では第2打がグリーンをオーバーし奥のラフに打ち込んだが、3打目をピンまで2メートルに寄せると難しいスライスラインを決めてパーをセーブした。これで流れを引き寄せるかに見えたが、7番パー4でグリーンを外し、この日2つ目のボギーとし、この時点で同組のオルソン(米国)に並ばれた。

 後半に入ると10番パー4で2メートルを外してボギー。11番でも2打目をバンカーに入れて連続ボギーとし苦しい流れが続いた。だが13番パー5で約3メートルを沈めてこの日初バーディー。通算1アンダーとし先にホールアウトした金アリムを追った。果敢にピンを狙った16番パー3は5メートルのバーディーチャンスが惜しくも右に抜けてパー。17番パー4は第2打をピン手前6メートルにつけたが、3パットのボギーで力尽きた。最終ホールはバーディーで締めて笑顔で戦いを終えた。

 昨年8月のAIG全英女子オープンで日本人42年ぶり、史上2人目のメジャー制覇を果たした22歳。日本人史上初のメジャー2冠はならなかったが、大きな自信と手応えをつかんだはずだ。

 ホールアウト後にテレビインタビューに応じた渋野は「悔しいです。めっちゃ悔しいけど、これが今の実力なんだなと。受け止めるしかないと思います」と振り返った。今大会が今年の最終戦。この大会で得られたものは、という問いには「今年1年を考えるとよく頑張ったのかなって思うんですけど…」と、目を潤ませて言葉を詰まらせた。そして、日本から声援を送ってくれたファンに向けて「長い1週間、本当にありがとうございました。最終的には優勝できなかったですけど、悔いはないので。来年、再来年、もっと強くなって、そういう姿を皆さんの前で見せられるように練習に励みますので、これからも応援よろしくお願いします」と頭を下げた。

 ▽全米女子オープン 1946年に第1回大会が開催された現存する女子最古のメジャーで、今年で第75回を迎える。日本勢の最高成績は87年にプレーオフの末に敗れた岡本綾子の2位。今年はテキサス州ヒューストンに位置するチャンピオンズGCが舞台。同コースでは69年に男子の全米オープンが開催されたが、今大会は初開催となる。予選はサイプレスクリークC(6731ヤード、パー71)とジャックラビットC(6558ヤード、パー71)の2コースを使用し、決勝はサイプレスクリークCのみで行われている。

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