服部道子氏 渋野3つスコア落とすも多彩なアプローチで見事なリスク回避

[ 2020年12月14日 02:30 ]

米女子ゴルフツアー 全米女子オープン 第3日 ( 2020年12月12日    テキサス州ヒューストン・チャンピオンズGC=6731ヤード、パー71 )

<全米女子オープン第3日>11番、渋野のバンカーショット(AP)
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 【服部道子の目】渋野さんは3つスコアを落としましたが、良いゴルフをしていました。前夜の雨でフェアウエーが軟らかくなり飛距離を稼げず、ピンの位置も難しいポジションに切られるなど、米ツアーのトップ選手ですら簡単にスコアを崩すタフなコンディション。その中で彼女は冷静に危険な場所を見極め、絶対にその方向に打たないしっかりとしたマネジメントができていました。ショットもほぼ狙ったところに打てていました。

 何より、アプローチの引き出しが増えていたことに驚かされました。以前はピッチエンドラン一辺倒のイメージ。でもこの日は低い球筋で足を使った10番の50ヤードの寄せや、17番で左ラフから浮かせてカップをなめた一打、さらには転がしなど、状況に応じて打ち分けられていた。そうしたアプローチでパーを拾って耐えた。内容は上位選手の中でも非常に良かったと思います。

 ただ、これだけのゴルフをしたのに3つもスコアを落とすと、普通は表情も曇りがちになります。でも、彼女はプレー後のインタビューの顔がキラキラしていた。結果を全て受け入れ、アプローチが成長したという、前向きな部分に思考の焦点を当てていた。最終日も、良い心のコンディションでプレーできるはずです。(東京五輪日本代表女子コーチ)

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2020年12月14日のニュース