空手 男子形五輪代表・喜友名 前人未踏の9連覇も慢心なし

[ 2020年12月14日 05:30 ]

空手全日本選手権 ( 2020年12月13日    東京・日本武道館 )

男子形で9連覇を達成した喜友名は女子形3位の岩本と笑顔を見せる(撮影・西尾 大助)
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 男子形では、東京五輪代表の喜友名諒(30=劉衛流龍鳳会)が前人未到の9連覇を達成した。得意の「アーナン」を演武した決勝では28・74点をマークし、2位の本一将(25=AGP)と1・14点差をつけた。女子形で東京五輪代表の清水希容(27=ミキハウス)は決勝で敗れ、8連覇を逃した。

 史上初のV9を決めても、喜友名の表情は変わらなかった。決勝で力強い「アーナン」を見せ、92~99年の阿部良樹が持つ最多記録を更新。求道者の雰囲気を漂わす30歳は「新記録を作りたいと思ってやっていたわけではない。続けてきたから、この結果につながっている。来年に勢いづけられたのでよかった」と殊勝に語った。

 発奮材料があった。この日は師匠である佐久本嗣男氏の73歳の誕生日。会場で見守った師匠から「落ち着いて演武しなさい」と助言を受けた。優勝決定後は電話越しに「決勝の形はよかった」と褒められたといい、喜友名は「誕生日に優勝できてよかったです」と喜びをかみしめた。

 コロナ禍のため11カ月ぶりの実戦。基礎から見直し、一つ一つの技の切れが増した。「初めて全日本に挑む初心の気持ちを思い出しながら挑むことができた」と喜友名。東京五輪は金メダル獲得が至上命令。「次は満点を取る形を演武したい。来年の五輪は優勝します」と力強く語った。

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2020年12月14日のニュース