陽良と書いて「たから」と読むロック今村よ、神鋼の宝に―

[ 2020年2月23日 13:00 ]

居残り練習を終えて引き揚げる神戸製鋼ロック今村陽良
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 「陽良」と書いて「たから」と読む。すてきな名前だ。「太陽のように明るく、いい子に」という名前の由来が、字で伝わる。

 ロック今村陽良、入社1年目の23歳。23日のトップリーグ第6節東芝戦(神戸ユニバー)で、今季2度目のベンチ入りをした神戸製鋼のホープだ。1メートル87、103キロの体格を生かし、激しい当たりで道を切り開くスタイル。開幕6連勝を狙うチームに、途中出場でエネルギーを与えることが期待される。

 体の強さを測るには絶好の相手だ。日本代表の主将、リーチ・マイケルが引っ張る東芝は、FW戦にプライドを持つ。「東芝は、モール、コンタクト、キャリーが強い。そこで受けないようにしたい」。もう一つ、燃える要素がある。日本代表10キャップのロックで、帝京大の先輩、小滝尚弘が先発する。

 「大学は入れ替わりなので一緒にプレーをしたことはないですけど、尊敬していました。初めて対戦します」

 京都市で生まれ、高校で福岡(東福岡)、大学で東京へ出た。就職は地元関西と決めていた。「関西の強いチームでやりたかった」。最初に誘われた神戸製鋼を迷わず選んだ。名門に来てみれば、ニュージーランド代表81キャップを誇る世界最高のロック、ブロディ・レタリックが新たに加わった。世界最高のお手本だった。

 「レタリックは、バックスが抜け時でも絶対にサポートに走っています。しんどくても絶対に休まない。疲れていても、次の仕事を自分で探している。自分はコンタクトで勝ちたいと思っている。レタリックのように誰よりも走るようなプレーをできれば、ボールを触る回数が増えて、僕がやりたいコンタクトのプレーにもつながるんじゃないかと思っています」

 世界では、身長2メートル、少なくとも1メートル90以上が目安になるため、日本人の活躍が難しいポジションだ。どのチームも外国人を起用することが多く、大学を出ていきなりスーパーラグビーでプレーをしているような選手と定位置争いをするケースも多い。チーム側は育てたくても、プロ野球2軍のような育成のリーグがトップリーグにはなく、経験を積んで伸びるというタイプには、厳しい環境にある。

 今村は、ウェイン・スミス総監督の目に留まり、1年目でトップリーグ出場のチャンスをつかんだ。レタリック、張碩煥、トム・フランクリンら好選手揃いのロック陣でもまれれながら試合経験を積めば、近い将来、一本立ちもありうる。福本正幸チームディレクターは「日本人のロックを育てたい」という信念を持つ。神鋼の宝となるための戦いは、始まったばかりだ。(倉世古 洋平)

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