ウルグアイ、被災地スタジアムで大金星「釜石の奇跡だ!」 森会長「南アに勝った日本に匹敵」

[ 2019年9月26日 05:30 ]

ラグビーW杯2019 第6日   ウルグアイ30―27フィジー ( 2019年9月25日    釜石復興 )

<フィジー・ウルグアイ>大入り満員となった釜石鵜住居復興スタジアム(撮影・井上 徹)
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 W杯史に残る“釜石の奇跡”だ。過去3度出場でわずか2勝の世界ランキング19位ウルグアイが、2度のベスト8を誇る同10位のフィジーを30―27で破る番狂わせ。日本ラグビー協会の森重隆会長は「南アフリカに勝った日本に匹敵する」と4年前の“ブライトンの奇跡”になぞらえた。東日本大震災の被災地で開催されたW杯最初の試合は、世界のラグビー関係者とファンに強烈な印象を残した。

 583人の死者・行方不明者を出した鵜住居(うのすまい)地区で、全壊した小中学校の跡地に建てられたスタジアム。震災直後、支援に駆けつけた日本協会の清宮克幸副会長(当時ヤマハ発動機監督)が「原っぱとがれきの山だった」と振り返る場所には1万4025人の観客が詰めかけた。

 当初は「復興が先」との声もあった中、日本選手権で7連覇した新日鉄釜石のOBらが粘り強く説得して地域一体でのW杯開催が実現。釜石OBでもある日本協会の森会長は試合前日に市内で見つけた「釜石にとってのラグビーW杯は常に復興への志とともにありました」という文章を紹介し、涙を流した。

 青々としたハイブリッド芝は、激闘の後でも1カ所もめくれていなかった。釜石OBの元日本代表プロップ石山次郎氏は「本当のスクラム勝負が可能」と胸を張り、清宮副会長も「ラグビーの翌日でもサッカーができる」と絶賛した。大漁旗がたなびく被災地のスタジアムは、W杯の舞台にふさわしかった。
 (中出 健太郎)

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