姫野、次戦アイルランドの“緑の壁”壊す 初戦は驚異のタックル成功率94%「自信を持って臨める」

[ 2019年9月26日 05:30 ]

ラグビーW杯2019 第6日 ( 2019年9月25日 )

アイルランド戦へ向けて意気込みを語る姫野(撮影・久冨木 修) 
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 ラグビー日本代表は25日、静岡県浜松市内で練習を行い、フランカー/No・8姫野和樹(25=トヨタ自動車)が28日に対戦するアイルランドの強固な防御網突破を誓った。開幕ロシア戦では両軍1位のキャリー回数、ゲインメーターを記録。スコットランド戦で、驚異のタックル成功率94%を記録した“緑の壁”にくさびを打つ。この日は1次リーグD組の1試合が行われ、ウルグアイがフィジーを撃破。記念すべき釜石でのW杯初戦で番狂わせを演じた。

 ロシア戦ではボールを持った距離を示す「ゲインメーター」121メートルと、ボールを持って走った回数を示す「ボールキャリー」17回を記録。タックラーに触れさせずに抜けた回数を示す「クリーンブレーク」も3回で、ハットトリックのWTB松島の4回に次ぐ2位。W杯デビュー戦は緊張でミスも出たが、姫野の自信を確信に変えるには十分な数字だ。

 セットプレーを中心に行った練習後に臨んだ会見でも、表情には充実感と落ち着きが漂った。開幕戦を「強みはフィジカル。そこが出せたのは、かなり自信になった」と振り返ると、アイルランド戦に向け「自信を持って臨めるし、堅いディフェンスに対して前に出ることが、自分の次の仕事だと思っている」と言い切った。

 W杯は開幕6日間で10試合を消化。このうちタックル成功率90%以上を記録したのはフランス、イタリアを含め3チームで、94%は断然の1位。それも強豪スコットランド相手に記録し、ノートライに抑えた事実は、脅威だ。トニー・ブラウン・アタックコーチも「ディフェンスを破るには勢いが必要」と話しており、姫野の突破力に懸かる期待は大きい。

 07年W杯で南アフリカを優勝に導いたトヨタ自動車のジェイク・ホワイト監督は、17年にトップリーグ1年目の姫野を主将に抜てきした際に「南アにはエツベスやデュトイといった、20代前半で50キャップを持っている選手がいるが、姫野は彼らと同等レベル」と高く評価した。17年秋に代表デビューし、その後も成長曲線を描く25歳。アイルランド戦は世界的な評価を決定づける一戦でもある。

 ロシア戦ではチームMVPに当たる「ソード賞」を獲得。周囲からはアイルランド有利の声も聞こえてくるが、「僕は勝てると信じている。やってきたこと、仲間を信じるだけ」。番狂わせへの突破口は、姫野が切り開く。 (阿部 令)

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