リレー侍 まさかのバトンミス…新布陣が裏目、予選失格

[ 2019年5月12日 05:30 ]

陸上 世界リレー大会第1日 ( 2019年5月11日    横浜・日産スタジアム )

男子400メートルリレー予選、バトンを何とかつなぐ桐生祥秀(左)と小池祐貴(撮影・小海途 良幹)
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 まさかの事態だ。男子400メートルリレー予選3組に出場した日本は3走の小池祐貴(23=住友電工)からアンカー桐生祥秀(23=日本生命)へのバトンパスで違反があり、失格となった。メダルどころか世界選手権(9月27日開幕、ドーハ)の出場権すら確保できなかった。

 新布陣が皮肉にも凶と出た。3走小池からアンカー桐生へのバトンパスでお手玉。「バトンは手で持ち運ばなければならない」という競技規則違反による失格。技術に絶対の自信を持っていたリレー侍の痛恨のミスに会場がどよめいた。

 中盤までは完璧だった。1走の多田が抜群のスタートを切って、直線区間に回った2走山県も、スピードを維持して3走小池へ順調にリレー。しかし、最後の受け渡しで呼吸が合わず、バトンが宙に浮いた。桐生はバトンをつかみ取って最後まで走り、一時は電光掲示板に38秒59で3位と表示されたが、数分後に「DQ(失格)」と表示された。

 ゴールデンウイーク期間に3度の練習を行ったものの、精度不足は否めず。小池は「バトンは不安がなかったので想定外」と悔しさをにじませた。

 16年リオ五輪の銀メダルをきっかけに陸上人気が再燃したことを一番肌で感じているのが、リオ後に9秒台をマークした桐生。今回も日本で初開催のビッグイベントでメダル獲得を起爆剤にするつもりだったが、無念の失格に唇をかんだ。世界選手権出場は今後のレースに委ねられたが、今季絶好調の男は「ゴールデングランプリ(19日、大阪)でこの悔しさを晴らしたい」と瞳の奥は闘志で燃えていた。

 ▽陸上競技規則170条6(a) 競技場で行われるリレー競技ではバトンを使用しなければならず、バトンは競技中手で持ち運ばなければならない。

 ▽リレーの東京五輪への道 出場枠は5種目各16チーム。今秋の世界選手権の決勝進出8チームに出場権が与えられる。残り8チームは規定の期間に出したタイム順で選ばれる。400メートルリレーの場合、今大会上位10チームに世界選手権の出場権が与えられる。

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