流通経大柏 千葉県勢初4強!サッカー部とW全国制覇だ

[ 2019年1月4日 10:20 ]

第98回全国高校ラグビー大会第5日・準々決勝   流通経大柏19-14常翔学園 ( 2019年1月3日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<流通経大柏・常翔学園>逆転で4強進出を決め、歓喜の流通経大柏フィフティーン(撮影・北條 貴史)  
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 準々決勝4試合が行われ、流通経大柏(千葉)は常翔学園(大阪第3)に19―14で逆転勝ちし、同校および同県代表史上初の4強入りを決めた。前半を0―14で折り返す苦しい展開も、後半17分から9分間で3トライを奪って逆転。昨年7月の全国高校7人制大会を制したチームが、15人制でも快進撃を続ける。桐蔭学園(神奈川)は天理(奈良)を破り、4季連続の4強入り。準決勝はあす5日、大阪桐蔭(大阪第1)―流通経大柏、東福岡(福岡)―桐蔭学園の組み合わせで行われる。

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 積み上げてきた自信が、決断へと導いた。2トライを返して2点差に迫って迎えた後半25分。ラインアウトモールを押し込むと相手は我慢できずに崩れ、流通経大柏にペナルティーキックが与えられた。ゴールラインまでは22メートルの左中間。サイドラインの横に立つ相亮太監督は迷わず右手でゴールポストを指したが、プロップ葛西主将(3年)は“無視”した。

 「迷いはなかったです。監督はショットのサインが出てましたが、自分がモールを押すと判断して、FW全員で意思疎通しました」。ゴールまで7メートルの位置からのラインアウトで再開。バックスも参加して一気に押すと、最後はフッカー作田(2年)が逆転のトライ。フィフティーンは跳びはねて喜び合った。

 逃げ切りを図った後半ロスタイムのペナルティーでも、スクラム選択の指示を無視された相監督は「全く違うことをしていましたね。ダメなら(逆転されたら)仕方ないと思いました」と苦笑いする。だが逆転シーンに象徴される選手の自主性こそ、37歳の青年監督が目指してきたチームの理想像だ。普段の練習でも大枠のメニューだけを与え、中身や細部は選手自身に考えさせる。「今日も7、8割近くは僕の指示を無視していた」というが、選手を信頼するからこその放任だった。

 敗色が濃厚となった残り15分を切ってからの逆転勝ちで、勢いも付いた流通経大柏。全国高校サッカーでも8強入りし、現時点でダブル優勝の可能性を持つ唯一のチームとなった相監督も「ここまで来ると欲が出ますね」とニヤリ。勢いだけでなく、実力も本物であることを証明する。(阿部 令)

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2019年1月4日のニュース