関学大 大敗に試合方式見直し提案 レベル違いすぎる

[ 2019年1月4日 05:30 ]

アメリカンフットボール日本選手権「第72回ライスボウル」 ( 2019年1月3日    東京ドーム )

<富士通・関西学院大>試合後、敗戦に涙を流す関西学院大・奥野(撮影・西川 祐介)
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 17年ぶり2度目の優勝を狙った関学大(学生代表)は17―52で富士通(社会人代表)に完敗。出場12回目では最多得失点差の大敗だった。試合後、関学大サイドはレベルの違い、体力差による安全性確保が困難との理由から、試合方式の見直しを正式に提案。問題を提起する形となった。

 負けず嫌いの闘将が最も口にしたくない言葉だった。「これじゃフットボールでけへんわ。こんなに差があったら、しんどい。見ている人もおもろないんちゃうかな」。12度目の出場でワーストとなる35点差の敗戦。振り返る鳥内秀晃監督の口調には、悔しさを通り越した感情があった。

 QBバードソン、RBニクソンを止めるため、守備は試合開始から4、5人でタックルに行き、忠実に膝の下を狙った。3度までドライブを止めたのは学生王者の意地。第1Q終了間際に先制TDを許した後は、蓄積した疲労で全く体が動かなくなった。

 「スピード感、うまさが違った。残り2年で社会人に追いつく自信?難しい…」

 今季の快進撃を演出したQB奥野も、視線を落とした。スターターに4人顔をそろえた相手の外国人選手は、NFLに準じるレベル。1メートル86、106キロと規格外の肉体で全力疾走するニクソンを大学生が止めるのは、危険行為でしかない。関学大の負傷退場は6人。数字はまさに警鐘だった。

 試合後、小野宏ディレクターは異例の公式声明を発表した。「今のやり方では安全性が確保できない。社会人と学生の王者が戦う方式ではなく、もっと魅力的なボールゲームができないか、考える時期に来ていると思う」。悪質タックル事件で幕を開けた2018年シーズン。競技の安全性を求める使命は、まだ続いている。

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2019年1月4日のニュース