国枝、復活7度目V 世界1位返り咲き「やっぱり気持ちいい」

[ 2018年6月10日 05:30 ]

テニス 全仏オープン第14日 ( 2018年6月9日    パリ・ローランギャロス )

決勝でプレーする国枝。3年ぶり7度目の優勝を果たした
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 車いす男子シングルス決勝で国枝慎吾(34=ユニクロ)が、第2シードのグスタボ・フェルナンデス(24=アルゼンチン)を7―6、6―0で破って3年ぶり7度目の優勝を果たした。約2年ぶりに世界ランキング1位への返り咲きも決まった。同女子の上地結衣(24=エイベックス)は逆転で2年連続3度目のV。また、女子ダブルスの穂積絵莉(24)、二宮真琴(24=ともに橋本総業)組は決勝に向けてセンターコートで練習を行った。

 両手を広げる見慣れたガッツポーズが王者にはよく似合った。3年ぶりの全仏制覇でランキングも復権。国枝は「おまけみたいな感覚だが、やっぱり1位でいるのは気持ちのいいこと」と定位置に戻った喜びを語った。

 16年2月に世界1位から陥落し、同4月には右肘の手術も受けた。3連覇を逃したリオ・パラリンピック直後は「もう一度世界1位になるのは難しいかもしれない」と思ったという。右肘の状態、若手に対抗する新たな技術の習得にも不安があった。一時は15位まで落ちたが、心配は無用だった。

 今年の全豪で復活優勝を果たすと、4月からは新コーチを迎えて展開の速さやネットプレーなど、新境地を模索した。この日の第1セットは、85分の大接戦。「ここを取れないとつらいと思ったが、最後まで押しているのは自分だった」と強気を崩さず、通算9本目のセットポイントで取り切った。アンダーサーブを繰り出すなど尽きない好奇心と強じんなメンタリティー。王者が名実ともに完全復活を果たした。

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2018年6月10日のニュース