遼くんガックリ…1ホールも奪えず2010年初黒星

[ 2010年1月10日 06:00 ]

2日目11番ホール、池に打ち込みがっくりする石川遼

 男子ゴルフのザ・ロイヤル・トロフィー第2日は9日、タイ・チョンブリアマタ・スプリングカントリークラブ(7448ヤード、パー72)で行われた。石川遼(18=パナソニック)は小田孔明(31=フリー)とコンビを組み、フォアボール形式でロベルト・カールソン(40)とアレキサンデル・ノーレン(27)のスウェーデンコンビと対戦。初日のフォアサムで快勝した勢いをつなげたかったものの、ティーショットを2度も池に入れるなど、1ホールも奪えないまま6&4で完敗した。アジア選抜も欧州選抜に1ポイントのリードを許し、最終日のシングルスに逆転を懸ける。

 真っ赤に日焼けした石川の顔に、完敗の2文字が映し出されていた。「もの凄いレベルの差だった。きょうのプレーでマッチプレーの怖さを味わうことができました」。4ホールを残して早々と敗北が決まり、さすがに口数は少なかった。
 大事な場面で力みが出た。スタートホールを失って迎えた2番パー5では、世界ランク55位のノーレンが2打目をピン右1メートルにつけるスーパーショット。「あそこで圧倒された」。弱気になりかけたところで3番パー4のティーショットは左の池に打ち込んで無念のギブアップとなった。
 11番パー5でも再び池に落とし、ここでもノーレンが“直ドラ”で2オンして楽々バーディーを奪っていった。この日絶好調のノーレンと08年欧州賞金王のカールソンは14番までで10アンダーに届くほど圧巻のプレーを続けた。「さすがに焦らず、焦らずという気持ちにはなれなかった」。気持ちの焦りが上半身の力みにつながり、左へのミスショットを招いた。
 9、10番ではアドレスを解いて仕切り直すなど、スイング中でも構わずシャッターを切るギャラリーにも集中力を乱された。「ティーショットの時は駄目って言っているんだから聞いてほしいですよね」と珍しく苦言を呈するほど、イライラの募るラウンドだった。
 最終日のシングルスの相手は世界ランク56位のペーター・ハンソンに決まった。同30位の石川よりは“格下”になるが、「ぶつかっていくだけ。自分のゴルフをすればチャンスはある」と言い聞かせ、連覇につながる勝ち星をつかみにいく。

 <石川遼と一問一答>
 ――相手が強かった?
 「僕たちのスコアは4アンダー。フォアボールにしてはもう少し伸ばしたかった。いいゴルフをしていればもつれたと思うが、お2人のいいゴルフを見せてもらった」
 ――暑さで思うようなプレーができなかった?
 「すべてのショットにアドレナリンが出て、スイング自体は悪くないが、上体に力が入った。ノーレンのことは世界ランクぐらいしか知らなかったが、朝からアイアンが切れていて厳しい戦いになると思った」
 ――ベストを尽くしても厳しかったか?
 「はい。きっかけがあればいけると思ったが…。8番でチャンスにつけたが相手もバーディーで先手を取られたし、9番もいいパットを決められた。僕たちが先に決めることがなかった」
 ――3番と11番のティーショットは?
 「上半身の力が入ってしまった。飛ばしたいと思った時に、ヘッドだけ先に行ってしまう。ノーマルに80%の力で打っている時はできているが」
 ――あすは?
 「ぶつかっていく感じでやりたい。世界のトッププレーヤーとできるのはいい経験になる。1ポイント差は大きな差だけど、自分のプレーをしてプラスのポイントを稼ぐことが大事。プレジデンツカップの時と同じように自分のプレーをすればチャンスがあると思ってプレーしたい」

 <圧勝の欧州ペア、遼くんに“期待”>石川組を圧倒したカールソンとノーレンは2人で1イーグル、8バーディーを奪った。カールソンは1番で5メートルのバーディーパットを沈めると、最後の14番も3メートルを決めてバーディーフィニッシュ。現在の世界ランクは28位ながら、随所に08年の欧州ツアー賞金王の実力を見せた。初めて眼前で見た石川のプレーについては「非常に素晴らしい。年齢の割に成熟していると思うし、今後の活躍を見守りたいね」と期待していた。

 ◆ザ・ロイヤル・トロフィー 米国VS欧州のライダーカップにならって06年から始まったアジアと欧州の団体対抗戦。毎年会場はタイのアマタ・スプリングCC。08年はタイ王族の死去によって中止となり、今年が4回目。各チーム8人で初日は1つのボールを交互に打つフォアサム、2日目はスコアのいい方を採用するフォアボール、最終日はシングルスのストロークプレーを行い、3日間の合計点で勝敗を争う。

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2010年1月10日のニュース