帝京大 十八番の逆転劇で初の大学日本一

[ 2010年1月10日 15:41 ]

<東海大―帝京大>後半26分、トライを決めて喜ぶ帝京大・吉田光

 ラグビーの第46回大学選手権決勝は10日、東京・国立競技場で行われ、後半逆転した帝京大が14-13で逃げ切り、初優勝を飾った。

 FWの密集戦で上回った帝京大が接戦を制した。7―7で折り返した後半、帝京大は2PGを決められリードを許したが、26分にラインアウトからモールを押して最後は吉田光がトライ。ゴールも決まり逆転した。試合終了間際のピンチも堅守でしのぎきり、逃げ切った。東海大は風上の後半、優位に試合を進めながら攻め切れなかった。
 帝京大は大学選手権の4試合すべて逆転勝ちで創部40周年に花を添えた。

 ラストプレーを告げるホーンは鳴っていた。重量FW同士の密集戦で帝京大のナンバー8野口主将はボールを「夢中でもぎ取った」。直後にレフェリーは東海大に反則の判定。外にけり出し、帝京大が歓喜のノーサイドを迎えた。
 1点差の終了間際、帝京大は残り5メートルで相手ラインアウトの大ピンチを迎えていた。観客席で帝京大の赤い旗と東海大の青い旗が揺れ、大歓声が沸き上がる中、守る帝京大は低く当たり、次々に相手に絡んでモールを組ませない。岩出監督も「しびれた」という激しい守備で、最少得点差を守り切った。
 防御とともに持ち味のモール攻撃も猛威を振るった。2トライはともにモールから。逆転につながるトライを挙げたフランカー吉田光は「相手はモールを嫌がっていた」と、してやったりの表情だ。
 前回大会で初の決勝を戦った帝京大は、2人がシンビン(一時退場)を受けて自滅。だが今大会は優勝6度の関東学院大、3連覇を目指した早大、優勝12度の明大と、常連校を撃破しての戴冠だ。
 野口は「昨季の経験と強豪校との試合があったから強くなった」と笑顔。就任14シーズンで頂点に立った岩出監督は「喜びと感謝でいっぱい」と顔を紅潮させた。

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2010年1月10日のニュース