愛子思い出した!「こう滑るんだ!」

[ 2010年1月10日 16:00 ]

女子決勝 コブを攻める上村愛子

 ゴールの瞬間に両腕を上げた。上村にとっては得点や順位が出るより先に、手応えを感じた証しだ。優勝こそ逃したが、開幕戦以来となる2位を「こう滑るんだというのが少し分かった。本当に良かった」と吹っ切れたような笑顔で受け止めた。

 上村らしい鋭い滑りで観衆をわかせた。圧倒的な速さでタイムはトップ。二つのエアも大きくきれいにまとめて優勝したハイルを上回った。ただ中盤にコブにはじかれて左脚が開くミスを犯し、ターン点を減点され、ハイルとの0・91点差となった。
 前日は14位に沈んだ。結果だけを求めそうになる心を沈め、入念に滑りを確認した。決勝前の最後のコース練習。第1エアの手前のコブで「手前でずらすんじゃなくて、コブを乗り越える」と気づいた。たった1ターンの動きだったが、基本のカービング技術を思い出す鍵となった。
 今回のW杯は五輪の審判員が採点した。内容を伴って結果もアピールして「『上村はこう滑る』というのを分かってもらえたと思う」と話した。
 開幕からのW杯4試合は2位、24位、14位、2位。波をなくして、五輪本番へ調子を上げていきたい。一度勝つきっかけをつかめば、爆発的に活躍するタイプ。「ちょっと触った感じ。指がかかった感じがする」。あと一歩だ。(共同)

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2010年1月10日のニュース