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メッシが2戦連発で救った! 「アルゼンチンのW杯が新たに始まる」メキシコに2―0

[ 2022年11月28日 05:05 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグC組   アルゼンチン2-0メキシコ ( 2022年11月26日    ルサイル競技場 )

<アルゼンチン・メキシコ>後半、ゴールを決め喜ぶメッシ(撮影・小海途 良幹)
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 崖っ縁のアルゼンチンをエースが救った。26日のメキシコ戦でFWリオネル・メッシ(35)が1得点1アシストで2―0の今大会初勝利に貢献。2年前に亡くなった英雄ディエゴ・マラドーナ氏の命日翌日に、追悼ゴールをささげた。30日の第3戦、ポーランド代表ロベルト・レバンドフスキ(34)との“バルセロナ新旧エース対決”に1次リーグ突破を懸ける。

 均衡を破るゴールを決めたメッシは仲間と喜びを分かち合うと、天を見上げた。潤んだ瞳の先にはマラドーナ氏の姿があったに違いない。試合前日の11月25日は、2年前に亡くなった英雄の命日。インスタグラムに在りし日の雄姿を選んで投稿した背番号10は、勝利を呼び込んだ一撃に「肩の荷が下りた。心に平穏が戻ったよ」と息をついた。

 「悔しさを胸に刻んで過ごす時間は凄く長かった」と振り返ったサウジアラビア戦の逆転負けから4日。この日も5バックで守備を固めたメキシコに苦戦した。その中で、2トップの一角に入りながら時には中盤の深い位置まで下がって攻撃の組み立てに関与。重苦しいムードも漂い始めた後半19分、ペナルティーエリアの手前で右サイドから横パスを受けると、思い切りよく左足を振った。シュートまでの時間は1秒未満。相手選手2人の股下を抜く先制点を右隅に突き刺した。

 スタンドには94年米国大会の決勝以降では最多となる8万8966人がいた。最後と決めたW杯。敗れれば敗退決定という苦境で「まだ諦めるわけにはいかなかった」とメッシ。終了間際にアシストも記録したエースは、マラドーナ氏が持つアルゼンチンのW杯最多出場記録21に到達し、歴代2位のW杯通算8点目でも並んだ。

 バロンドール(世界最優秀選手)を史上最多の7回受賞し、バルセロナ時代に欧州チャンピオンズリーグ4回制覇など数々の栄冠を勝ち取ってきた。マラドーナ氏や元ブラジル代表の王様ペレ氏と同等の評価をする声もあるが、唯一足りないのがW杯のタイトルだ。

 「今日からアルゼンチンのW杯が新たに始まる。ガードは下げられない。ここからの試合は全てが決勝だ」

 自力で1次リーグ突破を決めるには30日のポーランド戦に勝つしかない。エースを軸に息を吹き返したアルゼンチンが走り始めた。

 ≪1試合で得点&アシスト最年長≫メッシは後半42分に左ショートCKからフェルナンデスの追加点をアシストしW杯史上初となる5大会連続アシストを記録。また1試合で得点とアシストを同時に記録した最年長選手(35歳155日)となり、自身が06年ドイツ大会のセルビア・モンテネグロ戦で残した最年少記録(18歳357日)に続く偉業達成となった。

 ▽アルゼンチンの1次L突破条件 30日の第3戦ポーランド戦に勝てば突破、負ければ敗退。引き分けの場合は、同時刻のサウジアラビア―メキシコでサウジアラビアが勝つと敗退、引き分けならサウジアラビアとの得失点差争いで上回るため突破。メキシコが勝つとメキシコとの得失点差争いで、メキシコが2点差以下の勝利なら突破、3点差なら総得点などの争いとなる。

 ≪グアルダド負傷 5バックに緩み≫メキシコのマルティノ監督はメッシに関し「(自陣ゴールに近い)ファイナルサードでそれほどスペースを見つけられなかったと思うが、彼はほんの数秒で違いをつくれる」と嘆いた。14~16年に母国アルゼンチンを指揮。元教え子の怖さは身に染みており、5バックで封じていたが、5大会連続出場を果たしたMFグアルダド主将が前半42分に負傷交代して緩みが生じた。8大会連続の16強入りに暗雲が垂れ込める中で「やれるだけのことをやる」と前を向いた。

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2022年11月28日のニュース