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超攻撃的FW陣支えるブラジルの未来 22歳ビニシウス、エース離脱の穴埋める

[ 2022年11月28日 05:05 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会

圧倒的なスピードを武器に敵陣を突破するビニシウス(左)(AP)
Photo By AP

 【Today's CHECK G組】ブラジルは初戦のセルビア戦で自慢の攻撃力を発揮した。リシャルリソンが2得点で主役を演じた中、ビニシウス(22)も観客を魅了した。後半28分には左サイドから右足アウトで正確なクロスを供給。リシャルリソンのボレー弾を引き出した。自身のW杯初戦で勝利に貢献し「信じられないほど幸せ。こんなにうまくいくとは思わなかった。これからもいいプレーを続けたい」と声を弾ませた。

 逸材アタッカーは名門フラメンゴで頭角を現し、18歳でRマドリードに移籍した。ただし合意したのは16歳の時。移籍金は4500万ユーロ(約65億円)で、ブラジル人ではネイマールに次ぐ歴代2位の高額と、早くから才能が評価されていた。

 Rマドリードでは当初、目立った活躍ができなかった。しかし昨季35試合に出場し17得点をマークするなど才能を開花させた。

 武器はスピード。瞬間的に時速35キロを超える快足でDFを抜き去り、決定機を築くと同時に、自らも得点を取る。19年にデビューしたブラジル代表でも左ウイングの定位置を奪取した。

 順調な歩みを続ける中で騒動に巻き込まれたのは今年9月。ゴール後にダンスを踊り喜びを表現していたが、スペインの代理人ペドロ・ブラボ氏がテレビ番組で「サンバを踊りたいならブラジルへ行けばいい。猿芝居はやめるべきだ」と差別的な表現で批判した。この発言に対しRマドリードは声明を発表。ブラジル代表の同僚ら多くの選手が反発し、ブラボ氏は謝罪に追い込まれた。

 喧騒(けんそう)の中で迎えた大舞台。「W杯は大事な大会だからしっかり準備してきた。目標は優勝だ」と話すビニシウス。カタールで歓喜のダンスを披露することはできるだろうか。

 ◇ビニシウス 2000年7月12日生まれ、ブラジル・リオデジャネイロ州出身の22歳。10歳で名門フラメンゴの育成組織に入団。16歳でトップチームとプロ契約。18年夏にRマドリードへ移籍。19年ブラジル代表デビュー。国際Aマッチ17試合1点。1メートル76、62キロ。利き足は右。

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2022年11月28日のニュース