城彰二氏　短期間で5人は代えすぎた　主力とベンチに力の差

FIFAワールドカップ（W杯）カタール大会1次リーグE組   日本0―1コスタリカ （ 2022年11月27日    A・ビン・アリ競技場 ）

＜日本・コスタリカ＞喜ぶコスタリカイレブンを背に円陣で指示を出した森保監督（撮影・西海健太郎）
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　【城彰二　視点】全員で戦うというコンセプトの下でターンオーバー制を取ったが、結果的にはうまくいかなかった。日本はまだ主力とそうでない選手に力の差があり、残念ながらターンオーバーするレベルには達していなかったと言わざるを得ない。

　酒井、冨安が負傷したDFは仕方ないとしても、5人は代えすぎた。海外組が大半の代表はただでさえコンビネーションを合わせる時間が少ない。この日のメンバーは効果的な連動が少なかった。ほぼハーフコートでゲームをしながら攻め手を欠いた。サイドを突破されても中央だけは割らせないという相手にアイデアもなかった。

　1トップの上田はボールキープがいまひとつ。鎌田は結果を残したい気持ちが強すぎるのか周囲と連係を欠き、孤立した。後半に伊東を投入せざるを得ない状況を見れば、ベストメンバーで臨んで早々に勝負を決めてから後半休ませる選択肢もあっただろう。リズムを変えるならワンタッチパスを出せる柴崎、田中を投入しても面白かった。

　選手はコスタリカからは勝ち点3を取りたいと思ったはず。失点した場面はその思いがボールをつなごうとした吉田の中途半端なプレーに表れたように見えた。シンプルにクリアして最低勝ち点1は取らなければいけなかった。W杯に出る国に簡単な相手はいない。実際、コスタリカは日本が3バックに布陣を変えてもサイドにしっかり人がついて研究している跡が見えた。

　第3戦は厳しい状況で臨むことになるが、スペインは攻めてくる分、ショートカウンターという狙いがはっきりする。チャンスはあるはずで、頑張ってほしい。（元日本代表FW）