香川 痛感した本田との“存在感”の差「まだまだ物足りない」

[ 2013年6月5日 06:00 ]

<日本・オーストラリア>前半、パスを出す香川

W杯アジア最終予選B組 日本1―1オーストラリア

(6月4日 埼玉)
 W杯出場を告げる笛が響くと、MF香川は両拳を突き上げた。だが、会心の笑顔はない。すぐにピッチ上で遠藤と問題点を指摘し合う即席のミーティング。そして、試合後は反省の弁を連発した。

 「代表で10番を背負うと常にプレッシャーはついて回る。注目されているのは感じていたし、その中で結果にこだわってやってきたけど、まだまだ物足りない。僕には代表を勝たせるという強い意志が足りない。今(そのメンタルを持っているのは)は圭佑君(本田)1人の状態。もっとそこに加わらないと」

 厳しい自己分析を繰り返したが、見せ場はつくった。前半19分、本田にパスを預けてペナルティーエリアに進入。前田を経由したボールが足元に戻ってくると、GKの重心を見て右足で左隅を狙った。わずかに残った右手一本でセーブされたが、技術、俊敏性、判断力が凝縮されたシーン。後半14分には左サイドから右足でゴール右上の枠に当たるループ気味のシュートを放つなど創造性豊かなプレーを見せた。

 偉大な先人からもW杯での活躍を期待されている。3度W杯に出場し、06年ドイツ大会で日本を率いたジーコ氏が、Jリーグ設立20周年行事で来日した際「香川は日本だけでなくアジアの期待を背負う存在。実力ではなく期待値の比較ならブラジルのネイマール、アルゼンチンのメッシと同列」とメッセージを贈られた。幼少時代に鹿島ファンだった香川にとって、本大会に向けた大きな励みになることは間違いない。

 2年間に及ぶ予選を振り返り、香川は最後も謙虚な言葉で締めくくった。「W杯に出ることは子供のころからの夢。出るからには優勝したいけど、現状では厳しい。存在感の大きい選手が圭佑君のほかにも2、3人必要。この1年で最後のところを決められる選手になりたい」。“世界のマンチェスターU”所属とは思えない“下から目線”も背番号10の魅力。1年後にブラジルで躍動する姿を思い描き、一歩ずつ目の前の課題をクリアしていく。

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