長友 先発復帰で左サイド制圧!「W杯優勝を本気で狙っている」

[ 2013年6月5日 06:00 ]

<日本・オーストラリア>後半、ゴール前に攻め込む長友

W杯アジア最終予選B組 日本1―1オーストラリア

(6月4日 埼玉)
 命運は、DF長友に託されたようなものだった。後半34分、左サイドバックから2列目へポジションを上げるよう指令が下った。直後の35分、早速、ゴール前に抜けた。こん身の右足シュートは相手GKの好ブロックに遭い「全盛期のマイコン、ダニエウ・アウベスなら決めていた」と悔やんだ。それでもゴールへの、勝利への執念を見せたプレーが日本代表を勢いづけた。

 誰もが2年前のアジア杯制覇の再現を期待した。決勝のオーストラリア戦。0―0で迎えた延長後半、長友は同じように1列ポジションを上げると、驚異的なスタミナとクロスの精度で李のスーパーボレー弾をアシストした。今回も同じだった。指揮官はなりふり構わぬ采配で、長友のスタミナと攻撃力に懸けた。

 4月に半月板損傷を再発させた左膝は万全ではない。この日、左足のクロスは1本もなかった。周囲には手術を勧める声が多かったが、熟慮の末、保存療法での復活を選択した。後悔はない。手術を選んでいればこのピッチには立てなかった。左足のクロスがなくても1対1の強さ、最後まで走り切る無尽蔵のスタミナは、ザックジャパンに不可欠だった。

 試合後のインタビューでは6万人超の観衆に「本気でW杯優勝を狙ってます」と宣言した。どよめきの中に失笑がまじった。それでも「笑われても構わない。本気で目指さないと、そこにはたどり着けない」と信念に揺るぎはない。0―2で敗れた5月30日のブルガリア戦後、「これでは世界で戦えない」と苦言を呈した男は、満身創いの左足にムチ打ち、身をもって戦う姿勢を示した。

 「まだ通過点。もっともっと個の能力を高めないと」。来年夏、王国ブラジルで輝くため、夢の頂点に立つため、長友は走り続ける。

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