城彰二氏「システムは攻撃的だがやっていることは攻撃的ではなかった」

[ 2011年6月8日 09:03 ]

 キリン杯でザッケローニ監督は新システム3―4―3を採用したが、2試合とも0―0の引き分けに終わった。スポニチ評論家で元日本代表FWの城彰二氏(35)が分析する。

 システムは攻撃的だが、やっていることは攻撃的ではなかった。チェコが守備的だったため、3―4―3の両サイドの長友、内田が高い位置でプレーしていても、攻めるスペースがなかった。そのうえ3トップがワイドに開いていることで、FWとMFでサイドのスペースをつぶし合っていた。また、MFと3トップの距離が遠くなることも問題だった。分厚いサイド攻撃が持ち味となる3―4―3だが、効果的なサイド攻撃ができなくなっていた。

 この問題を解決するためには、3トップの両サイドの本田と岡崎がサイドに張るだけではなく、中に動いたり、2トップのように下がってきたり、バリエーションを増やしていくことだ。中に動けば長友、内田が攻め上がるスペースができるし、下がれば李のサポートができる。もっとFWが考えてプレーする必要がある。また、遠藤、長谷部のダブルボランチも1人はトップ下の位置まで上がらないとダメだ。攻撃に厚みが出てこない。W杯アジア予選では、この日のチェコのように引いて守る戦術を採用するチームが多くなる。現時点では3―4―3をオプションとして使うことには疑問が残る。

 守備面でも不安がある。崩されたシーンはなかったが、強い相手に対して3人のDFで守りきることができるかどうかは疑問だ。4バックに比べて3バックは1人が守るエリアが広い。2トップと相対した場合、1人がかわされたら2対2になってしまう。個々の1対1が強くないと守れないシステムで、個人の能力をどう成長させるかがポイントとなるだろう。

 個人としては李が目立っていた。3トップの真ん中で孤立していたにもかかわらず、ボールをキープして味方の上がりを待っていた。貪欲にゴールを狙う姿勢もあったし、ドリブルで突破したり、ファウルをもらってつなげることもあった。前田の負傷で巡ってきたチャンスをものにしようと必死だったが、その前田を脅かす存在に成長してきた。これに周囲とのコンビネーションが加わると、もっといいプレーができると思う。

 W杯予選まで残り1試合となったが、3―4―3にこだわらずに、4―2―3―1の戦い方を再確認するべきだ。また、長い予選を戦うために、メンバーの底上げも必要。新戦力が出場したペルー戦とチェコ戦で選手個々の差が明らかになった。1人選手が代わるとサッカーが変わってしまう。特に遠藤は以前より運動量が減って、攻撃に絡めなくなっている。年齢的にも14年のW杯ブラジル大会まで先発としてプレーできるかどうかは微妙だ。遠藤に匹敵する選手を発掘する必要がある。

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