【どうなる松本VS文春(5)】文春のけん制に“ヤメ検”のけん制返し 西山弁護士が今後の展開占う

[ 2024年3月30日 04:45 ]

ダウンタウンの松本人志
Photo By スポニチ

 「ダウンタウン」の松本人志(60)が、女性に性的行為を強要したとする「週刊文春」の報道で名誉を毀損(きそん)されたとして、発行元の文芸春秋などに5億5000万円の慰謝料などを求めた訴訟の第1回口頭弁論で、松本側の田代政弘弁護士が文春側の喜田村洋一弁護士に突きつけた要求が“驚きの手”と受け止められている。被害に遭ったとされるA子さん、B子さんの氏名や生年月日、LINEアカウント、住所など個人情報の提出を求めたのだ。田代氏の要求の裏にはどういう意味があったのか。初公判から一夜明けた29日、識者の見解から読み解く。

 喜田村氏が「47年間弁護士をやっていて、こんなこと言った人初めて」と驚いたほどの一手。元東京地検検事でレイ法律事務所の西山晴基弁護士は「どちらも相手の出方を慎重に探っている」とみる。喜田村氏は、ホテルで飲み会があった、性的行為についてA子さん、B子さんが同意していなかったことなど記事の内容について、どの部分で争うのかを明確にするよう答弁書で求めた。名誉毀損を争っているため、本来なら文春側が記事の真実性を示したり反論すべきところ、まずは松本側に回答を迫ってけん制した。

 これに対し、田代氏は個人情報の提示を求めた。西山氏は「氏名やLINEアカウントは確かに把握しなければ、松本さんに確認しようがない」とした上で「住所や生年月日などは完全な個人情報。ここまで求めたことで“回答を求めるんだったら、まずそちらが回答してください”とけん制し返した」と指摘。田代氏は検事から弁護士に転身した“ヤメ検”。検事は取り調べの際に相手に反論を言わせてから、矛盾点を突いていく手法を使うことが多い。西山氏は「ヤメ検の田代弁護士らしいやり方」と話した。

 次回は6月5日に争点を整理する「弁論準備」が非公開のウェブ会議で行われる予定。西山氏によると、次に法廷で直接対決するのは、年明けとみられる本人や証人への尋問になる。関係者は「裁判が始まり、松本さんは身の潔白を証明する思いがさらに強くなったようです」と語った。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2024年3月30日のニュース