“6度目の正直”で直木賞受賞・万城目学さん 初候補入りから16年半「今回もまたすれ違うのかなと」

[ 2024年1月17日 21:13 ]

<芥川賞・直木賞発表会見>受賞作品を手に笑顔の(左から)直木賞受賞の万城目学さん、河崎秋子さん、芥川賞受賞の九段理江さん(撮影・沢田 明徳)
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 第170回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は九段理江さん(33)の「東京都同情塔」(新潮12月号)、直木賞は河崎秋子さん(44)の「ともぐい」(新潮社)と万城目学さん(47)の「八月の御所グラウンド」(文芸春秋)に決まった。

 直木賞にノミネートされていたアイドルグループ「NEWS」加藤シゲアキ(33)の小説「なれのはて」(講談社)は受賞ならず。加藤は2021年の第164回直木賞に小説「オルタネート」が候補作入りしたが、受賞を逃していた。

 万城目さんは1976年生まれ。京大法学部卒。2006年、第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した「鴨川ホルモー」でデビュー。07年「鹿男あをによし」、09年「プリンセス・トヨトミ」、10年「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」、13年「とっぴんぱらりの風太郎」、14年「悟浄出立」の5作品がいずれも直木賞候補作となり、今回は6度目のノミネートでの受賞となった。

 選考委員は浅田次郎、角田光代、京極夏彦、桐野夏生、高村薫、林真理子、三浦しをん、宮部みゆきの各氏が務めた。

 初めて候補入りしてから16年半での受賞に「ずっと獲ることはないなと思っていたので、全然緊張せず、全く他人事のように暮らしていまして。今日あるんかみたいな感じで。連絡が来て、受賞ですと言われて、本当にびっくりしました。こんなことあるんかと感じました」と率直な心境を語った。

 16年半という時間について「普段から直木賞というのは、別に隣にいる賞ではなくて。ほんとにたまにしか隣に来ず、隣に来ても目線は合わせず別れていくというような…今回もまたすれ違うのかなと思ってましたが。17年たつと、多少袖が触れ合ったなと。そういう感じですね」と万城目節で語り、しみじみと噛みしめていた。

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