芥川賞・九段理江さん 受賞作はチャットGPT駆使「5%くらい文章そのまま」「うまく利用しながら」

[ 2024年1月17日 20:29 ]

<芥川賞・直木賞発表会見>受賞作品を手に笑顔の(左から)直木賞受賞の万城目学さん、河崎秋子さん、芥川賞受賞の九段理江さん(撮影・沢田 明徳)
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 第170回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は九段理江さん(33)の「東京都同情塔」(新潮12月号)、直木賞は河崎秋子さん(44)の「ともぐい」(新潮社)と万城目学さん(47)の「八月の御所グラウンド」(文芸春秋)に決まった。

 直木賞にノミネートされていたアイドルグループ「NEWS」加藤シゲアキ(33)の小説「なれのはて」(講談社)は受賞ならず。加藤は2021年の第164回直木賞に小説「オルタネート」が候補作入りしたが、受賞を逃していた。

 芥川賞を受賞した九段さんは1990年生まれ。2021年、「悪い音楽」で第126回文学界新人賞を受賞し、デビューした。21年発表の「Schoolgirl」が芥川賞候補、22年文芸春秋刊の同作単行本(「悪い音楽」併録)で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。また、23年発表の「しをかくうま」で野間文芸新人賞を受賞している。

 会見では「書き続けるということは、やはり一人ではどうしても難しいものですから。書き続ける力をくださる。応援してくださる出版社の方、家族、友人、楽しみに読んでくださる方々にありがとうございますとお伝えしたいです。とにかくうれしい、感謝を伝えたいという気持ちでおります」と緊張の表情で喜びをかみしめた。

 また、AI時代に小説を書く意義を問われ、「今回の小説に関してはAIとかチャットGPTとかを駆使して書いた小説でして。全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っているところがある。うまくこれからも利用しながら、かつ、自分の創造性を発揮できるような。うまく付き合っていきたいと考えております」と述べた。

 自身の生活で「誰にも言えないようなことを人工知能に相談したりしたことはありますね」と振り返り、「AIが期待したことを言ってくれなかったりした場合に、主人公のセリフに反映させてみたりということはいくつもありました」と語った。

 芥川賞の選考委員は小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一の各氏が務めた。

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