「どうする家康」寺島しのぶ“講談調&嘘ナレ”ネット話題 大河語りの裏側 神田伯山に衝撃「余韻のまま」

[ 2023年12月17日 07:00 ]

大河ドラマ「どうする家康」最終回(第48話)本編に、語りの“正体”春日局役で出演する寺島しのぶ(C)NHK
Photo By 提供写真

 嵐の松本潤(40)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は17日、15分拡大で最終回(第48回)が放送される。ナレーションを務めたのは女優・寺島しのぶ(50)。主人公・徳川家康を「神の君」と呼ぶ、その“正体”は竹千代(のちの徳川家光)の乳母・福(のちの春日局)と判明し、寺島が最終回本編に同役で出演。初挑戦となった大河の語りの舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどの古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となった。

 メリハリのある講談師のような語り口がSNS上などで話題に。最たる例は第32回「小牧長久手の激闘」(8月20日)、徳川四天王の“口上”だ。

 「この小牧・長久手の戦いにおいて、一番槍を務め、多大なる功を挙げたるは、いわば徳川四天王とでも称すべきお一人、榊原康政(杉野遥亮)でございます」

 「神の君をお守りし、旧武田勢を率いて敵を撃滅したのが、徳川四天王“井伊の赤鬼”こと、井伊直政(板垣李光人)」

 「秀吉本軍を小勢にて迎え撃ったのが、徳川四天王、天下無双の本多忠勝(山田裕貴)」

 「徳川四天王、残るお一人が、このイカサマ師(本多正信/松山ケンイチ)…ではなく、頼れる大黒柱、酒井忠次(大森南朋)でございます」

 語りの方向性を決める仮収録の前日、たまたま神田伯山の講談を鑑賞。衝撃的だった。「その余韻が残るまま語ってみたところ、監督が面白がってくれたんです」。この経緯を知らない松本から「伯山さんの講談みたいな語りもいいね」と期待の言葉を掛けられる偶然に「驚きました」と振り返った。

 今年1月の放送スタート後、伯山とは「お会いしていませんが、ラジオで『(今回の語りが)講談調なら、オレでもよくない!?』とおっしゃっていた、というのは聞きました(笑)」。収録は月2回ほどのペースで、1回当たり約2時間。語りの設定を知らされたのは、実は終盤。そこから一層「やはり、この使命感のある役どころを意識し、極端に熱意を出していこうと思いました」と役に入り込んだ。

 明智光秀(酒向芳)を討ち取った羽柴秀吉(ムロツヨシ)を憎たらしく「あんの男」呼ばわりした第29回「伊賀を越えろ!」(7月3日)、松平信康(細田佳央太)の幼少期を演じる長男・寺嶋眞秀(まほろ)くんが大河デビューを果たした第13回「家康、都へゆく」(4月2日)の初登場シーンで「(家康の)長男竹千代改め松平信康」と役柄を紹介し“母子共演”が実現したのも印象に残るナレーションに挙げた。

 “嘘ナレ”も反響を呼んだ。例えば、第15回「姉川でどうする!」(4月23日)。家康は新天地・浜松へ移ったが「かの地は大いに沸き返り、民は皆、喜びに咽び泣いて、君を歓迎したのでございます」の語りに対し、実態は浜松の民が「あれが今川様を裏切った殿様じゃ」「お田鶴様を殺した殿様じゃ」などと冷ややかな視線を投げた。

 「そういう(嘘ナレの)シーンとして、確信を持って、もう少し分かりやすく狙ってみる回があってもよかったかなと思います。(全体を通して)回ごとに監督が替わるので、都度、演出の意図などを聞いて実践しました。ブースで収録していると、演者とコンタクトが取れず、出来上がったVTRがすべてなんですけど、実際に撮影を見る時間などがあったら、現場の熱量なども感じて語りに生かすことができたかなと思いました」と課題も見つかった。

 それでも、10月には東京・歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」昼の部「文七元結物語」で歌舞伎本興行に初出演。同劇場の舞台を初めて踏むなど「おなかいっぱいの幸せな1年。スポーツが盛り上がった年でもありましたし、自分のこととスポーツで大忙しの年でした」と手応えを明かし、今後については「今、朝ドラ『ブギウギ』の(ヒロイン・スズ子の生涯のライバル)茨田(りつ子)さん(菊地凛子)に触発されていて。以前、『TAROの塔』(2011年)で演じさせていただいた岡本かの子さん(岡本太郎の母)みたいな、NHKさんならではクオリティーで作り込んだ役を演(や)ってみたいです」と目標を掲げた。

 最終回は「神の君へ」。徳川VS豊臣の最終決戦「大坂夏の陣」(慶長20年、1615年)が描かれる。

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年12月17日のニュース