「どうする家康」阿部寛「あっという間」14年前の大河・上杉謙信→武田信玄に感慨「人間らしい面も意識」

[ 2023年4月30日 20:45 ]

大河ドラマ「どうする家康」第16話。いよいよ織田信長討ちへ出陣する武田信玄(阿部寛)(C)NHK
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 俳優の阿部寛(58)がNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)に“戦国最強のレジェンド”武田信玄役でレギュラー出演。初回(1月8日)から圧倒的な存在感を示してきたが、次回第17話(5月7日)で信玄が主人公・徳川家康の前に立ちはだかる「三方ヶ原の戦い」(元亀3年、1573年)がついに描かれる。阿部が同局を通じたコメントで撮影の舞台裏を明かした。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛け、嵐の松本潤が主演を務める大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。

 阿部の大河出演は上杉謙信役に扮した2009年「天地人」以来14年ぶり6回目。2021年11月のキャスト発表で「地響きのように家康に影響を与えられたら」とコメントしたが「『どうする家康』というタイトルなので、家康にどれだけ大きな影響を与えたのか。武田信玄といえば、甲斐の山奥にいる、圧倒的な強さを持った武将です。家康にとってかなりの存在感があっただろうし、家康は信玄との戦いの中で戦術も人間性も含めて多くを学び、成長していくのです。今回の大河ドラマの信玄の役割としては、家康にとっての超えられない壁であること。その役目を全うしたいと思っています。そして演じる上では、完璧で神がかった人というよりも、人間らしい面も出せるよう意識しています」と役に向き合っている。

 「クランクイン前は、オンデマンドで大河ドラマ『天と地と』の高橋幸治さんのをはじめ、信玄が出てくる過去作品を中心にいくつか拝見しました。実在した人物を演じる前には必ず行くのですが、お墓参りにもうかがいました。昔は自分が演じる武将のイメージが少しでも良くなるようにしたいという思いもありましたが、今はあくまで作品における役割をきちんと捉えて演じようと思っています」

 前回の大河出演は謙信役を演じ「今回、その宿敵である武田信玄を演じるのは感慨深いものがありました。あの頃からあっという間に14年経っていて驚いていますが、この14年間で培ったさらに深いものを出し切って、信玄としての役目を果たしたいと思っています」

 「当時から抱いている武田信玄の印象としては、とにかく謙信とともに最強の武将。戦略家で『いくさは勝ってから散るものぞ』というように、戦の前から綿密に手を打ち、知略の面でも抜群に頭がキレる人です。一方、諸説あるようですが、父親からも愛情を受けられない不遇な時代があり、その後、若くして父親を甲斐から追放もしているので、相当な苦労があったと思います。その苦労した時代があったからこそ、民を含め、人の気持ちも分かる人でもあったのでしょうし。人としての強さも優しさもあり、それが多くの人々を惹きつける力となったのだと思います」

 「そして武田勢は、信玄だけでなく、息子・勝頼をはじめ、穴山梅雪、武田四天王の一人・山県昌景など最強の仲間がいたことも大きな力でした。今作でも、チーム武田として、家康が勝手にビビってしまうほどの圧倒的に余裕ある雰囲気を醸し出せたらいいなと思っていますが、皆さんと一緒に芝居をする中で、自然とその空気も作り出せたのかなと思っています」

 「三河一向一揆」「伊賀越え」と並び、徳川家康の“3大危機”に数えられ、人生最大のピンチとされる「三方ヶ原の戦い」(元亀3年、1573年)が迫る。

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