朝ドラ「ブギウギ」撮影で一部破損の百済寺、原因を報告 拝観制限を発表「過度の負荷に耐えられず」

[ 2023年4月27日 11:16 ]

百済寺の本堂(同寺の公式サイトから)

 NHKは26日、今秋放送開始の連続テレビ小説「ブギウギ」の撮影中、重要文化財に指定されている滋賀県東近江市・百済寺(ひゃくさいじ)の本堂の一部を破損したと発表した。これを受け、百済寺は27日に公式サイトで原因を「過度の負荷に耐えられなかった」と説明し、拝観を一部制限すると発表した。

 撮影は25日午後に行われ、本堂の濡れ縁でリハーサルを始めた直後、床板を支える木材が折れ、床板約20枚が5メートルにわたり陥没した。NHKは同寺に謝罪し、ロケを中止した。関係者によると当時、濡れ縁の上で10人の出演者がダンスを披露するシーンを撮影していたという。出演者やスタッフにケガ人はいなかった。

 百済寺は606年、聖徳太子によって創建された近江地方最古の仏教寺院。1573年には、織田信長の焼き打ちに遭い全焼した。文化庁の公式サイトによると、現在の本堂は江戸前期の1650年に完成。中世以来の仏堂形式が変化する過程で、近世的な特質が表れた貴重な遺構として、2004年12月に重文指定された名刹(めいさつ)だ。放送関係者によると、ドラマなどのロケで使用されることもあったという。同局は「貴重な文化財を破損したことを深くおわびいたします。関係機関の指導に従い、修復などに適切に対応してまいります。改めて文化財の保護を徹底します」と謝罪した。

 発表から一夜明け、百済寺は「拝観制限のご案内」を公式サイトに掲載。「ニュース等で報道されておりますように、4月25日NHKドラマ撮影中に本堂向かって右側の濡れ縁を支える板が過度の負荷に耐えられず破損し、床板が傾く事故がありました」と事故について原因を報告。「幸いにも怪我人はなく、撮影は直ちに中止となっています」と説明し「明日からの拝観は通常通りおこないますが、本堂の破損箇所への立ち入りはご遠慮ください」と理解を求めた。

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