大林恭子さん 昨年死去した夫・宣彦監督の思い代弁「映画の力が平和へのバトンに」

[ 2021年2月17日 22:19 ]

毎日映画コンクールで特別賞を受賞し、感謝を口にする大林恭子さん。後方は、大林宣彦さんの遺影を持つ長女の千茱萸さん
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 昨年4月に死去した映画監督・大林宣彦さん(享年82)の妻で映画プロデューサーの大林恭子さんが17日、東京・目黒区のめぐろパーシモンホール(大ホール)で行われた「第75回毎日映画コンクール」の表彰式に出席し、特別賞受賞に思いを語った。

 コンクールは今年が75回目の節目。第1回が行われた46年、恭子さんは当時、7歳だった。「東京大空襲で焼夷弾から逃げ回り、戦争が何であるかも分からず、ただ廃墟に立つ少女でした」。そんな中、生きる喜びを与えてくれたのが、大林さんとの出会いだったという。「12年後に大林と出会い、それからの63年間はずっと映画の日々でした」と振り返った。お互い戦争経験者だったことから、平和とは何かを問い、作品作りを通じて争いのない世界の大切さを訴えてきた。

 長年タッグを組んできた人生の伴侶を失ったが、大林さんの思いを代弁するように言った。「大林はこう言うと思います。『毎日が100年、200年、300年と続いて、映画の力が未来の平和へのバトンの一つとなるよう願っている』と」。また、「このコロナ禍ですが、本当に新しい時代を作るチャンスに変えて下さい。大変な時代に、皆さんが頑張っていらっしゃる。うれしく思います」と、苦難の中にも感じる光に希望を託すように言葉を締めくくった。

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2021年2月17日のニュース