河瀬直美監督 初の国内映画賞「初めて。ふふふ…」 毎日映画コンクール表彰式

[ 2021年2月17日 19:08 ]

<毎日映画コンクール表彰式>監督賞を受賞した河瀨直美はトロフィーを手に笑顔(撮影・沢田 明徳)
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 「第75回毎日映画コンクール」で監督賞を受賞した河瀬直美監督(51)が17日、東京・目黒区のめぐろパーシモンホール(大ホール)で行われた表彰式に出席した。

 中学生で子供を宿した少女ひかり(蒔田彩珠)と、子宝に恵まれない夫妻(井浦新、永作博美)にスポットを当てた「朝が来る」。特別養子縁組制度というテーマにも切り込んだ。

 カンヌでの受賞歴など、世界をまたにかける映画監督だが、国内の映画賞の受賞は意外にも初めて。「私自身の映画作りの経歴で言うと、カンヌを始め、外国での賞が多かったんですけど、国内の賞は初めて。ふふふ…」と喜びをかみしめた。

 コンクールは今年で75回目。第2次世界大戦が終戦した翌年の1946年に産声を上げた。河瀬監督は「敗戦国の日本がどんな気持ちで、この国で生きていけばいいのかな?と思っていた人たちの元に、このコンクールが『映画を通して明るい光を届けたい』と思った人たちの結晶としてできたと想像すると、自分が生まれる前からその志で灯そうとしていた人たちがいると勇気をもらいました」と、時代を作った映画人たちへの敬意を口にした。

 時おりしも、新型コロナウイルスが拡大し、世界に危機が訪れている。「100年、1000年先の人に、自分の映画が届いて、大変な状況だったとしても、『朝が来る』の最後に小さな魂が届けてくれた言葉のように、この時代を生きる人のものとに、光を灯すことができたら…そう真摯な思いで映画を作り続けたい」と決意を語った。

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2021年2月17日のニュース