河内家菊水丸 万博ロゴ制作デザイナー、シマダタモツ氏と異色タッグ

[ 2020年10月14日 06:30 ]

1970年大阪万博での写真を持つシマダタモツ氏(左)と対談した河内家菊水丸
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 伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸(57)が2025年大阪・関西万博の公式ロゴマークを制作した大阪市のデザイナー、「TEAM INARI(チーム・イナリ)」代表のシマダタモツ氏(55)を訪ねて対談した。菊水丸は70年大阪万博のシンボル、太陽の塔の内部再生事業広報担当アンバサダー。25年万博へ向けて異色タッグ結成が決まった。

 菊水丸は25年万博期間中、会場での盆踊りで河内音頭の歌唱を予定する。その際に製作する、ロゴ入り浴衣。「浴衣ができたら踊って下さい」とのオファーにシマダ氏も「踊ります」と応じ早速、意気投合した。

 シマダ氏は、ロゴの活用法について「こんなん出たん?みたいなのを作りたい。(選考委員会座長の)安藤忠雄さんが言ったように予定調和ではないものを」と抱負。万博協会は2日、メッセージ付きロゴの使用申請サイトを開設し今後、グッズ展開を見込んでいる。シマダ氏の思惑はさらに大胆で、「開会式のテープカットはあのモコモコしたテープで」と仰天提案。「どこを切ればいいのか、でも切りにくいかも。僕らも楽しんで作りたい」と具体案を模索中だ。

 対談では両者、70年万博の記憶を語り合った。シマダ氏は太陽の塔を見た後、制作者の故岡本太郎氏について調べた。2月26日の誕生日が同じだったことが作品群に関心を抱くきっかけだった。

 「岡本さんは命を表現するのに目を描く。ロゴにリンクすると気づいた」。岡本作品の目玉は黒目が大きく、違いはあるが今回、セル(細胞)をイメージした赤い円や楕円が非対称な輪を描き、目玉がのぞく自身のデザインとの半世紀を超えたつながりに自信を得た。今回の応募にあたり「“やりたいことをやろう”と突っ走った。変化球を投げなくて良かった」と振り返った。

 菊水丸は太陽の塔の下、実施された「日本の祭り」を回想。阿波踊りやソーラン節が採用されたのに、音頭取りだった父の影響で親しんだ地元大阪の河内音頭は出番がなかった。

 「25年万博こそは」との思いは強く、一昨年の万博招致決定前、幼なじみの松井一郎・大阪府知事(現市長)から万博会場での盆踊りを依頼され、芸能活動の大きな節目と意気込んできた。発した言葉通りの結果を導く言霊の力を信じ「大阪コロナワクチン開発完成物語」の制作を進めている。

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2020年10月14日のニュース