藤井七段 因縁の佐々木七段撃破「判断が難しかった」もリード許さず 圧巻の勝率.968

[ 2020年6月26日 05:30 ]

感想戦中の藤井七段(左)と佐々木七段
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 将棋の藤井聡太七段(17)は25日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第79期順位戦B級2組1回戦で、佐々木勇気七段(25)と対戦し、110手で勝利した。

 「一局を通じて判断が難しかった」という藤井だが、終わってみれば相手にリードをほぼ奪われる場面がない快勝だ。佐々木は17年7月2日、竜王戦決勝トーナメント2回戦で敗れ、プロデビュー以来の連勝を29で止められた因縁の相手。「大変強い相手。こちらもしっかり戦わなければ」と気合十分で臨んだ。もっとも1089日前の敗戦について意識をしたかの問いには「特になかったです」と苦笑い。対する佐々木は「途中で研究から外れてからは読みにない手を多く指された。余されて負けるとは思っていなかった」と舌をまいた。

 今期の順位戦白星スタート。これで藤井は17年6月15日のC級2組1回戦(瀬川晶司五段)以来、順位戦は通算で30勝1敗。名人への細くて長い道を、勝率.968と驚異的な勝ちっぷりだ。

 わずか2日前の23日には第61期王位戦挑戦者決定戦で永瀬拓矢2冠(27)を破り、現在進行中の第91期棋聖戦とともにダブルタイトル戦出場を決めたばかり。28日に棋聖戦第2局、7月1、2日に王位戦第1局に臨む。「立て続けに対局がある。状態を崩さないようにしたい」。快進撃は止まる気配がない。

 ▼順位戦 名人(今期は豊島)への挑戦者を決める予選を兼ねたランキング戦。上位順にA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の5階層に分かれ、例年6月から翌年3月にかけて9~10回戦を戦い、A級1位は名人挑戦、B級1組以下は上位2、3人が昇格するシステム。新人(新四段)は原則としてC級2組に組み込まれるため、名人戦に登場するには最短でも5年が必要となる。

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2020年6月26日のニュース