志村けんさん称え議会でアイ~ン 東村山名誉市民に満場一致で選定

[ 2020年6月26日 05:30 ]

志村けんさんの長兄の知之さん(右)が音頭を取り、「アイーン」のポーズを取る東村山市議会議員ら
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 新型コロナウイルス感染による肺炎で3月29日に亡くなったタレント志村けんさん(享年70)の地元・東京都東村山市議会は25日、志村さんを名誉市民に選定する議案審議を行い、満場一致で選定した。同市役所内にある議場で開かれた顕彰式には長兄の知之さん(73)、次兄の美佐男さん(72)ら遺族4人が出席し、渡部尚市長から表彰状などを授与された。

 かつて同市役所に勤務していた知之さん。この日は古巣に足を運び、目に涙を浮かべ「子供から大人までみんなから愛されたのは最高だったと思う。ありがとうございます」と感謝。最後に「弟の代名詞である“アイーン”をお願いします」と25人の議員に呼び掛け、全員がポーズ。おなじみのギャグでの締めくくりは、約15万人の東村山市民の誇りだった志村さんへの敬意を示すパフォーマンスとなった。

 式後の会見で知之さんは「神聖な場所にもかかわらず無理を言ってやっていただき、とてもうれしかった」と笑みを浮かべた。2014年の市制施行50周年の際にも市側は志村さんにオファー。だが東村山市に住んでいないという理由や「芸の道に100点はない」などの信念から断っていたという。

 志村さんの死去後には市のウェブサイトに追悼メッセージが約2万2000件届き「志村さんを名誉市民に」という声も多かった。四十九日を迎えた現在は納骨を済ませ、先祖代々250年続く市内の菩提(ぼだい)寺に両親とともに3人で眠っている。知之さんは「これから永遠に東村山に眠ることになったから(名誉市民を)受けてもいいかなと思った」と明かした。その後「一生懸命頑張った証だぞ」と名誉市民になったことを伝えるため、志村さんが眠る墓前へ向かった。

 東村山の英雄・志村さんを称えるため、市には銅像や記念碑の建立を求める要望も多く届いているという。渡部市長はクラウドファンディングで資金を集めている市民団体があることを明かし「協議して、共同で進めていきたい」と前向きな姿勢を示した。

 《東村山音頭で全国区に》志村さんには、地元・東村山市を全国区にするさまざまな活動があった。1976年に「8時だョ!全員集合」(TBS)で「東村山音頭」を披露。ユニークな衣装や独特なメロディーと歌詞で一大ブームとなった。同年には市から感謝状を贈られ「志村けんの木」として東村山駅前に3本のけやきが植樹された。その後も幾度となく地元愛を語り「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ)内の企画では可愛がっていた捨て犬「ちび」と市内を散歩することもあった。

 今年の夏には、本来開催予定だった東京2020オリンピックの聖火ランナーに選ばれ市内を走る予定だったがかなわなかった。
 渡部市長もこの日の顕彰式で「『東村山音頭』で、東村山の存在を全国に知らしめていただいた恩人です」とその功績を称えた。

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