内田有紀 結婚、引退、そして…いつでも「一生懸命」

[ 2015年12月22日 13:10 ]

額縁を手にポーズをとる内田有紀。絵になる女優です

 内田有紀(40)といえば、トップアイドルだった90年代に心を奪われた男性も多いだろう。女優デビューからはや23年。今や、カメレオンのごとく主役から脇で光る役までさまざまな役を演じ分ける女優となり、ドラマ界に欠かせない存在となった。悩んで、苦しんで、たどり着いた生き方を語った。

 11月16日に40歳を迎えた。パッと見て、そう思う人はほとんどいないはず。若々しく、みずみずしい。アイドルとして一世を風靡(ふうび)した当時のかれんさ、可愛らしさも残したままだ。

 「美しさの秘けつは?」と聞くと、「ひたすら一生懸命生きること」という言葉が返ってきた。ちょっと真面目すぎやしないか?だが、その言葉は内田の人生を物語っている。「毎日必死に生きてますよ。一生懸命生きているのが、一番気持ち良い生き方」という。

 女優デビューは17歳。93年のフジテレビドラマ「ひとつ屋根の下」で、わがままでキュートな舞台女優を演じ男性陣をとりこにした。94年には歌手活動も開始し、デビュー曲「TENCAを取ろう!―内田の野望―」でオリコン初登場1位を記録。誰もがうらやむ売れっ子アイドルへ駆け上がった。

 ただ、多感な時期の内田は苦しんだ。「“こんな世の中終わってしまえ”と思うこともありましたよ」と、笑いながら振り返る。テレビ、CM、音楽番組に引っ張りだこ。大人の中に一人交ざり、深夜まで仕事をする毎日。「嫌われたくないから笑顔を作って、気を使って生きていたんでしょうね。“やらなきゃいけない”という気持ちに支えられてましたが、すっごい後ろ向きでしたよ」とこぼした。

 考え方が変わったのは、20代後半から30代になってから。転機になったことは「特にない」と語るものの、公私でさまざまなことがあった時期だ。

 25歳で「北区つかこうへい劇団」に入り、劇作家の故つかこうへいさんに「芝居は心で感じ、演じるもの」と教えを受けた。27歳でフジ「北の国から―2002遺言」に出演し、脚本家倉本聰氏(80)と出会った。同じ頃、「北の…」で共演した俳優吉岡秀隆(45)と結婚し一時引退。30歳で離婚し、「自分の居場所を見つけたい」と芸能界に戻ってきた。

 「つかさんとも、倉本さんとも、その時その時に会うべくして会わせてもらっていると思う。全部プラスに捉えているし、私生活のこともマイナスだとか思わない」。さまざまな?藤はあったはず。「何があっても、次を頑張るしかないよね」と言ってほほ笑んだ。

 近年はさまざまな役柄に挑み、“くせ者を演じられる女優”としての地位を確立しつつある。「何をやっても見たいと思われる女優でありたい」という内田には、そうした役のオファーは願ったりかなったりだった。
 少し例を挙げれば、フジ「最後から二番目の恋」(12年)では引きこもりの不思議ちゃん。テレビ朝日「ドクターX~外科医・大門未知子~」(12~14年)では腕は確かだがどこかふてぶてしい麻酔科医、今月まで放送された日本テレビ「偽装の夫婦」ではシングルマザーの同性愛者と、想像し難い役柄ばかりだ。

 「幅広い役を求められるようになったな、と思うことはないですよ。目の前の役にいっぱいいっぱい。考える余裕もない」とあっけらかん。結果を出せば、また新たな挑戦を続けられる。好循環の中にいるから、「意外に思われる役をどんどんやりたい」と思える。

 来年1月5日からNHK・BSプレミアムで放送される主演ドラマ「はぶらし/女友だち」(火曜後11・15)は、久々の受け身の演技。内田演じる独身女性の自宅に、池脇千鶴(34)が演じる同級生が転がりこんでくる。夫、仕事、家を失いボロボロの女性が、「あなたは幸せでいいわね」とねたみの言葉などで心理的に追い詰めてくる。

 苦境を楽しむマゾヒスト(M)だ。撮影は「ストレスしかたまらなかった。私も大変なのって言っても、向こうは旦那が、子供がって言う。そう言われたら、そりゃ、あなたのほうが大変よってなる。それを感じながら毎日芝居してるので、凄いストレスでした」と明かす。一方、「Mじゃなきゃ女優はやっていけない。追い込まれて追い込まれて、どう表現したらいいだろうって凄く考えました」と、苦しいほどやりがいを感じられる。

 「身を削らないと伝わらない」という考えの持ち主。中井貴一(54)、田村正和(72)、いしだあゆみ(67)、加賀まりこ(72)ら、慕う先輩が演技に臨む姿勢から学んだ。

 「まりこさんの舞台を見に行くといつも“もうちょっとうまくできないかな”とか“なんで私はこんなふうなんだろう”っておっしゃってる。これに懸けてるなっていうのが分かりますよ」。
 女優になって23年たっても「まだ足りない」と役を渇望している。「常に“この役やってみて”って言われる女優でいたい。楽するのはもっと走ってからでいい」。まだまだ全力疾走が続きそうだ。

 ◆内田 有紀(うちだ・ゆき)1975年(昭50)11月16日、東京都生まれの40歳。92年、フジテレビ「その時、ハートは盗まれた」で女優デビュー。「踊る大捜査線」「医龍」「ドクターX」などの人気シリーズに出演。1メートル65、血液型O。

 ▽「はぶらし/女友だち」 女性同士のバトルを描いた心理サスペンス。鈴音(内田)は独身の脚本家。ある時、仕事も家も失った高校の同級生の水絵(池脇)が自宅に押しかけてくる。「一晩だけでいいから泊めて」と一人息子を連れた水絵を、鈴音は受け入れてしまう。だが、それは一晩では終わらなかった。鈴音の生活は侵食され、水絵は心の内までもえぐる。

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