佐々木朗希、最速164キロで4回途中1失点、今大会最多8K 3・11WBCデビューで勝利投手の権利

[ 2023年3月11日 20:28 ]

WBC1次ラウンドB組   日本―チェコ ( 2023年3月11日    東京D )

<日本・チェコ>力投する佐々木朗(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドB組は11日、東京ドームで2試合が行われ、日本はナイターでチェコと対戦した。日本は佐々木朗希投手(21=ロッテ)が先発し、3回2/3を投げ2安打1失点(自責0)、今大会最多となる8三振を奪って降板した。

 9日の中国戦、10日の韓国戦に連勝。チェコ戦に勝てば、準々決勝進出に王手をかける一戦。そして特別な「3・11」に佐々木朗はマウンドに立った。初回先頭のV・メンシクへの第1球は162キロ直球。球場からもどよめきが起こった。2死無走者からフルプに163キロを左翼線二塁打され、2死二塁。4番のチェルベンカの遊ゴロを中野が一塁悪送球で先制点を献上した。それでも初回に投じた15球のうち、直球は10球、そのすべてが160キロ以上をマークした。

 2回は2死一塁から、ハイトマルの中前に抜けそうな打球に対し、よけるように出した左足のスパイク部分に直撃する場面も。打球方向が変わって遊ゴロとなったが、ヒヤリとするシーンだった。3回は安打と四球で1死一、二塁にピンチを迎えたが無失点に抑えた。4回1死一塁からスモラを空振り三振に打ち取ったところで球数制限65球を超えたため、お役御免となった。2番手の宇田川が空振り三振に打ち取ると、佐々木もベンチで拍手した。

 チームは練習開始前、グラウンド上で円陣を組み、30秒黙とうを捧げた。「活躍する姿を見せることが、一番の恩返し」。岩手県の陸前高田氏出身。2011年3月11日、震災ではキャッチボールに付き合ってくれていた父・功太さん(享年37)と祖父母が犠牲になった。さまざまな思いを背負って腕を振った。

 4日の中日との壮行試合では、大谷翔平に並ぶ日本人最速165キロをマーク。万全の状態に仕上げた。「集中して自分のプレーをする。チームのために、自分ができることをやるだけかなと思っています」。世界が注目する「令和の怪物」が、その投球を日本中に、被災地に、天国に届ける投球だった。

 ▼佐々木朗 フォアボールなどで球数が増えて4回を投げきれなかったですが、最小失点で戻れたのは良かったです。(WBC仕様の)マウンドやボールは気にならずチェコの良い打者に集中して投げられました。

続きを表示

この記事のフォト

2023年3月11日のニュース