ダル父 息子に期待「日米のギャップ小さくなるように。それがミッション」 少年野球から輪づくりに興味

[ 2023年3月11日 05:05 ]

WBC1次ラウンドB組   日本13ー4韓国 ( 2023年3月10日    東京D )

12年、レンジャーズ入団会見で安どの表情を見せる父のファルサさん(右)とダルビッシュ
Photo By スポニチ

 【YELL FROM 父親】2月の宮崎合宿。ダルビッシュは球場の内外で選手とコミュニケーションを深めた。変化球の握りを助言することもあれば、逆に質問する場面も。食事会も催された。ただ、わが子の野球人生を見続けてきた父・ファルサさんからすれば、特別な行動ではなかった。

 「少年野球からずっと投手の仲間づくり、輪づくりに非常に興味を持っていた。投手同士で一緒に遊んだり、(技術を)教え合ったり、ご飯を食べたり。それが、ずっと一つの流れで来ている」

 ダルビッシュは中学時代、米オークランドで開催されたボーイズリーグの世界大会に出場。東北高時代は日本代表として台湾遠征を経験した。早い段階から世界を体感。また、自主トレなどでチームや年齢の区別なく交流を深める姿勢は、プロ入り後も続いていた。

 日米通算19年目。日本シリーズ、五輪、WBC、右肘手術、トレード、ワールドシリーズなど、「NPBでもMLBでも経験していないことが、あまりない」とファルサさんは言う。それらの豊富な経験が「maturity(成熟、円熟)」を生んでいるとした。また、「自分の家族のことは立場的に言うのは難しいですけど」とした上で、「アスリートにとっても家庭というかファミリーの存在は一番大きい。先、先へと環境づくりをしてくれる聖子さんは、父として一番うれしい存在」と右腕を支える妻に感謝を込めた。

 WBC出場を通じて息子が背負う使命は、優勝への貢献だけではないと感じている。

 「日本の野球のレベルを上げたいというのが彼には凄くある。そもそも、そういう(野球の世界振興も目的の)舞台。日本と米国のギャップが小さくなるように感じられれば。それが一つのミッションではないか」

 大会前、ダルビッシュは「世界一を獲りたいというより、一日でも長く(このメンバーで)野球がしたい」と言った。もちろん、長く侍ジャパンでプレーすることも、そのミッションにつながる。(大林 幹雄)

 ◇ダルビッシュ・セファット・ファルサ 1960年9月21日生まれ、イラン・テヘラン出身の62歳。プロサッカー選手を目指して渡米し、米フロリダ州の大学で学ぶ。日本人女性と結婚し、有(ダルビッシュ)ら3男をもうけた。現在はイランの名産品や雑貨を扱う「ダルビッシュギャラリー」のオーナー兼ディレクターを務める。

続きを表示

2023年3月11日のニュース