阪神・岡田監督の革命始まった!「新戦術」ひらめき、すぐに練習 「そんなん無駄やから」

[ 2022年11月7日 05:15 ]

<阪神秋季キャンプ> 実戦形式の守備練習後、選手とコーチを集めて話す岡田監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神・岡田彰布監督(64)が6日、過去の球界の常識にはない「新戦術」を考案した。第2クール2日目の安芸秋季キャンプで初めて実戦形式の守備練習を実施。無死もしくは1死一、二塁からの右飛で二塁走者のタッチアップに対し、投手を三塁ベースではなく中継に入る二塁手のバックアップに動かした。練習中に“ひらめいた”という守備シフトを今後の実戦でも試すことを明言した。

 今秋初めて走者を置いた実戦的なノックが終わり、打撃ケージが組まれ始めたところで、岡田監督が“待った”をかけた。コーチ、選手らを集め、身ぶりを交えて何やら細かく指示。再び選手が守備に就き、走者一、二塁からの右飛を想定したノックが繰り返された。

 「カットな、カット(の練習)。投手と左翼と2枚(三塁)カバーになってたからな。投手は(三塁)カバー、間に合わんやろ。右翼が投げている時、投手はまだバックアップに走ってるやろ、背中向けてな。そんなん無駄やから。投手が間(中継のカバー)に入れと言うたんや」

 このケースで二塁走者がタッチアップした場合、右翼からの送球を二塁手が中継して三塁に投げることが多い。その際、悪送球に備えて投手と左翼手が三塁後方をカバーするのがセオリーだ。ただ、二塁手がボールをはじくなど中継が乱れた場合はカバーする選手がおらず、一塁走者まで二塁に進めてしまうこともある。加えて、そもそも投手の三塁後方への動きが時間的に間に合わない場合も多く、それなら最初から二塁手のバックアップに入れという考え方だ。

 地味なプレーながら、藤本内野守備走塁コーチは「初めて聞いた」と目を丸くし、安藤投手コーチも「あそこは投手は本能的に三塁ベースカバーに入る。現役の時もしたことはなかった」と証言。ノックを見ながら“ひらめいた”というのが、いかにも岡田監督らしい。

 「あの時、思たんよ。一塁走者に走られたら、普通の右飛で二、三塁になるもんな。それを一、三塁に抑えたら、ゲッツーも取れるしな」

 今後、実戦で精査する必要はあるが、基本的にこの動き方を採用する考え。常識にとらわれない新監督の“改革”が各方面で進行中だ。 (山添 晴治)

 ▽岡田監督の“革命” 1次政権時代にリーグ優勝した2005年は従来の抑え投手1人だけでなく、ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の「JFK」の3人による必勝継投を確立。6回終了時にリードしていれば73勝4敗2分けの勝率・948という驚異的な数字を残した。阪神監督も経験した野村克也氏が「甲子園では野球は6回で終わり。JFKは野球をがらりと変えたよ」と証言するほどの衝撃を与え、以降は他球団も模倣した。

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2022年11月7日のニュース