日体大・矢沢、公表通りの日本ハム1位指名 新庄監督から奪う!「プロでも背番号1をつけたい」

[ 2022年10月21日 06:00 ]

プロ野球ドラフト会議 ( 2022年10月20日 )

日本ハムに1位指名を受けた日体大・矢沢(右)と母・香さん(撮影・篠原 岳夫)
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 硬かった表情が一気に崩れた。日本ハムから公表通りの1位指名。日体大・矢沢は会見に同席した母・香さん(46)から花束を受け取ると照れくさそうに「ありがとう 宏太」と記したサインボールを渡し「たくさんの方々にお世話になったが、まず母にありがとうと伝えたい」と感謝した。

 大学でも異例の二刀流でプレーした逸材。投げては最速152キロで打撃も2年秋に外野手、4年春に指名打者でベストナインに輝いた。球団は投打二刀流で育成する方針。矢沢は「ファンに愛される選手になりたい。二刀流については(投打)どちらも本気でやっていく」と決意を語り「(ヤクルトの)村上選手から三振を奪い、(ロッテの)佐々木(朗)選手から本塁打を打ちたい」と二刀流ならではの目標を掲げた。

 壮大な野望も飛び出した。大学時代に背負った背番号1には愛着があり、現在は新庄監督がつけているが「プロでも背番号1をつけたい。そのような選手になれるように」と宣言。背番号1の後継者を探している新庄監督も「まず自分でポジションをつかんで、来年活躍したらあげます」と約束し「矢沢君が生まれたときから運命的に一緒のユニホームを着て野球をやるのが決まっていたと思う。走攻守で僕以上のものを持っている。期待しかない」と力を込めた。

 亡き父との約束も果たした。藤嶺藤沢時代の18年ドラフトで指名漏れ。2球団から育成契約の誘いがあっただけに心は揺れたが「日体大でドラフト1位になろう」と家族に励まされた。その49日後、父・明夫さん(享年59)が急逝。日体大の入学手続きを提出した日だった。父の署名とともに成長を誓ったあの日から4年。ドラフト1位で入団という“家族の夢”をかなえた。

 「この場に父がいないのは残念ですが、きっと喜んでくれていると思います」と矢沢。天国の父、そして最愛の母へ、今度はプロで活躍する姿を見せる。(清藤 駿太)

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2022年10月21日のニュース