巨人・原監督「血が全身に湧いた」阪神と競合 高松商・浅野引いた!連敗6&チーム連敗11で止め歓喜

[ 2022年10月21日 05:30 ]

プロ野球ドラフト会議 ( 2022年10月20日 )

ドラフト会議1巡目、高松商・浅野翔吾の交渉権を獲得してガッツポーズする巨人・原監督(右は阪神・岡田監督)
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 「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」が20日、都内のホテルで行われ、巨人がドラフト1位で高松商・浅野翔吾外野手(17)を指名。阪神と競合の末、原辰徳監督(64)が当たりクジを引き当てた。監督に復帰した1学年上の阪神・岡田彰布監督(64)との直接対決を制し、チームのクジ引き連敗は「11」で、自身の連敗は「6」でストップ。岡本和真内野手(26)との近未来のクリーンアップを思い描いた。

 原監督は大きな目を見開き、右手でガッツポーズを繰り返した。自身6連敗中だったドラフトでのクジ引き。学生時代からのライバルで、現場復帰したばかりの阪神・岡田新監督との直接対決がいきなり訪れた。先に抽選箱に右手を入れ、浅野の交渉権獲得の当たりクジを引き当てた。

 原監督「久々に私自身も歓喜という血が全身に湧いたというような感じがした。(ガッツポーズは)自然の中で私の素が出たと思います。自分がジャイアンツに入った時のようなね、ちょっと興奮しました」

 自身は08年の大田以来、2度目の当たりクジ。チームは昨年の隅田(現西武)まで11連敗中だった。それだけに、球団は9月28日に12球団最速で浅野の1位指名を公表したが、抽選役については、やや消極的だった。

 この日の午前中。川崎市のジャイアンツ球場で全体練習を見守った。ドラフトでの験担ぎについては「終わったら話すよ」とけむに巻いていたが、やれることは全てやっていた。会場に向かう道順を変え、スーツ、ネクタイ、革靴を新調した。

 原監督「何とか新たな一歩を今日踏み込むことができたらという願望の中で、少し道順を変え、靴も新しいのを履き、ということはしてみました。ネクタイもスーツも。効果はあったと思う」

 1位指名後のオンライン会見ではおどけたが、将来のクリーンアップ候補の大砲獲得への思いが通じた格好になった。自身のドラフトは80年。巨人を含む4球団の競合となったが、当時の藤田監督が当たりクジを引き当ててくれた。「思いがないとダメなんだよ」と42年前のことを思い出しながら、学生時代からのライバル、岡田監督との勝負を制した。

 無事に交渉権を獲得し、小柄ながらパンチ力が持ち味の浅野について、近未来の雄姿を想像した。

 原監督「ジャイアンツを担う選手になってくれると思っている。ファンの前で第一線で岡本和、そして浅野のクリーンアップが打てるようになれば一番いいこと」

 思いは浅野に通じた。高校生や大学・社会人など分離ドラフトを除き、1位競合での獲得は自身と松井秀喜、大田泰示に続いて球団4人目。球団の歴史そのものを変えてきた偉大な先人たちに続く姿に、今季は4位と低迷したチームを変える秘めたるオーラを感じ取った。(川島 毅洋)

 《デーブ新コーチ「浅野は持ってる」》新任の巨人・大久保打撃チーフコーチが、自身のYouTubeチャンネル「デーブ大久保チャンネル」でドラフト1位で指名した浅野の交渉権獲得を喜んだ。原監督が当たりクジを引き当てた瞬間には両手でガッツポーズ。「浅野は持ってるな。来年、1軍からか監督と相談だね」と早くも育成プランをイメージしていた。

 《対決3度目》原監督と岡田監督がドラフトで対決したのはこれで3度目。06年高校生ドラフトで愛工大名電・堂上で阪神、巨人、中日が競合し、ともに敗れて中日に引き当てられた。翌07年大学生・社会人ドラフトではともに6球団が競合した東洋大・大場の抽選に臨んだが、ソフトバンクに交渉権が渡っていた。これで抽選は原監督が2勝11敗、岡田監督は1勝8敗となった。

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