広島ドラ1・斉藤優汰 最年少3冠王・村上と対戦希望 最速151キロ誇る1メートル89の大型右腕

[ 2022年10月21日 05:05 ]

プロ野球ドラフト会議 ( 2022年10月20日 )

<2022年プロ野球ドラフト会議>広島に1位指名され仲間からから胴上げされる斉藤優汰(苫小牧中央)(撮影・高橋茂夫)
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 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が20日に都内ホテルで開催され、苫小牧中央・斉藤優汰投手(18)が広島から1位で指名された。事前の公表通りで他球団とは重複せずに決着。最速151キロを誇る1メートル89の大型右腕で、新井貴浩新監督(45)のもとで未来のエースとして期待される。

 斉藤はカープのユニホームと帽子を着用すると、硬かった表情を一変させた。「実感が湧いた。気分が高揚してうれしい」と満面の笑み。前日まで「似合わないんじゃないか」と心配していた人生初の赤いユニホームを「なかなかだと思う」と気に入った。

 学年トップの成績を誇り、まだ行ったことのない広島についてきちんと調べていた。「戦争の被害でつらい思いをされた方がいて、広島の町に希望を与えるために球団が創設されたと聞いた。自分もプレーで希望の光を与えられるようになりたい」。観光地や食べ物ではなく、広島の歴史と町に思いをはせ、意気込みを語った。

 「若手育成に定評があると聞いているので安心している」と何の不安もなく飛び込む。「大瀬良投手や森下投手にピッチングのことや練習のことを聞いてみたい」と目を輝かせた。「優しさの中に厳しさがあって、頼もしい方」とイメージする新井監督には「厳しく育てていただきたい」と望んだ。

 対戦したい打者には「球界で今一番いい打者」と最年少3冠王のヤクルト・村上の名を挙げた。目標は2桁勝利。「ストレートを磨いて、ファンの皆さんに愛される選手になりたい。2年目から1試合でも多く1軍で投げたい」と思い描いた。

 母・明美さん(56)への恩返しが原動力だ。「野球はお金のかかるスポーツなので苦労をかけた」。女手一つで夜勤を伴う介護の仕事をしながら弟の翔太(苫小牧中央1年)とともに育ててくれた。入学時に買ってもらった6万円のグラブを3年間大切に使い続け、「いずれは」と将来的に家を贈りたい考えを持っている。
 花束と感謝の言葉を受け取った明美さんは「反抗期もなく、名前の通り優しい子」と涙をぬぐった。母の涙に「活躍しないと恩返しにならないので、まずは1軍で」と早期の活躍を誓った。(石川 加奈子)

《斉藤優汰(さいとう・ゆうた)あらかると》
 ☆生まれ&サイズ 2004年(平16)5月27日生まれ、北海道岩見沢市出身の18歳。1メートル89、91キロ。右投げ左打ち。足のサイズは31センチで、靴が岩見沢市内には売っておらず、購入に苦労した。

 ☆球歴 岩見沢日の出小4年時に岩見沢日の出リトルタイガースで野球を始め、明成中では軟式野球部。中2秋に捕手から投手に転向した。苫小牧中央では1年秋からベンチ入り。3年夏は南北海道大会4強で甲子園出場はなし。

 ☆捕手視点 中学2年までは捕手で「打者の裏をかくのが楽しい」と気に入っていた。投手になっても配球を考えるのが好きで、スライダー、カーブ、フォークを操る。

 ☆読書家 趣味は読書でミステリーを好む。中3の冬には1週間に2冊のペースでミステリーを読んでいた。好きな作家は湊かなえ。

 ☆性格 「考えながら行動できるタイプ」と自己分析。練習の意味や効いている箇所を意識しながら取り組む。

 ☆食事 寮で好きな料理はサバのみそ煮。茶わん1杯で満足だった中学時代から一転、高校では朝2杯、夜3杯、夜食5杯。

 ☆座右の銘 漫画「ハイキュー!!」で知った「習慣は第二の天性なり」。毎日30分の勉強とストレッチを継続。

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2022年10月21日のニュース