阪神ドラ2・門別啓人「日本を代表する絶対的投手に」道産子左腕“北のドクターK”意欲

[ 2022年10月21日 05:15 ]

プロ野球ドラフト会議 ( 2022年10月20日 )

一緒に見守ってくれた野球部の仲間に会心の笑顔を向けた東海大札幌・門別
Photo By スポニチ

 阪神に2位で指名された東海大札幌の左腕・門別啓人(18)は、広い北海道生まれらしく、でっかい夢を掲げた。「日本を代表する絶対的投手になりたい」。差し出された色紙には、迷うことなく「新人王」と書いた。同時に、もう一つの野望、「160キロ」到達も掲げた。

 投球のスケールも大きい。1メートル83、86キロの恵まれた体から最速150キロを誇る。右打者の内角をえぐるクロスファイアが武器だ。

 北海道の高校生が指名&入団となれば、球団では66年の釧路江南・平山英雄投手以来56年ぶり。縁が薄かった地の“開拓者”になった担当の葛西稔スカウトは、「柔らかいヒジの使い方ができ、チェンジアップやスライダーを武器に扱うことができる」と変化球も高評価する。道大会4強が最高で甲子園に縁はなかったものの、将来、先発ローテ入りが期待される逸材だ。

 指名の瞬間、道産子左腕のこわばっていた表情が和らいだ。チームメートの歓声を浴びながら大脇英徳監督(47)と笑顔で握手。「追いかけてきた道。ほっとして…夢みたいな感じ」。その後ろで両親が涙に暮れた。

 父・竜也さん(39)は、幼稚園の頃に見た息子のキャッチボール姿に天性の素質を感じ、投手をやらせると決めた。幼いころは5キロのランニングと約100段の階段を駆け上がるのが日課。母・実保さん(40)が「野球のことしか考えていなかった」と振り返るほどの野球好きで、グラブとボールが友達のように過ごし、高い奪三振率で「北のドクターK」の異名を取るまでに成長した。

 今季12球団一の防御率を誇った投手王国に乗り込むが、気後れはない。「阪神は投打のバランスが整ったチーム。岡田監督は凄い選手だったと知っている。指導はためになると思うので吸収できるように頑張りたい」。岡田阪神の金の卵は、間違いなくこの男だ。

 ◇門別 啓人(もんべつ・けいと)2004年(平16)7月10日生まれ、北海道日高町出身の18歳。日高富川小1年で、富川野球スポーツ少年団で野球を始め、小6でファイターズジュニアに選ばれた。日高富川中では軟式野球部。東海大札幌では1年秋からベンチ入り。変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。1メートル83、86キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2022年10月21日のニュース