巨人1位指名の高松商・浅野 “小さな巨人”になる!1メートル71「言い訳せず勇気や夢を与えたい」

[ 2022年10月21日 05:30 ]

プロ野球ドラフト会議 ( 2022年10月20日 )

ドラフト会議で巨人の交渉権獲得が決まり、笑顔で色紙を見せる浅野(撮影・岸 良祐)
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 巨人、阪神の伝統球団から1位指名を受けると、高松商・浅野の緊張は最高潮に達した。「まさか競合するとは思っていなかった」。手のひらの汗をズボンで拭き、フッと息を吐いた。その表情が和らいだのは巨人・原監督がクジを引き当て、ガッツポーズした瞬間だった。

 「伝統ある巨人に指名されてうれしい。やっとスタートラインに立てたので、少しでも早く1軍の舞台で活躍できるように頑張りたい。身長は小さいですけど、言い訳することなく勇気や夢を与えられる選手になりたい」

 “小さな巨人”となるべく、気持ちを新たにした。分離ドラフトを除き、巨人がドラフト1位の競合で引き当てたのは4人目。過去3人は原辰徳、松井秀喜、大田泰示とそうそうたる名前が並ぶ。今季4位に沈み、再出発を期すチームの旗頭となるべく、偉大な先人たちのように時代を変える活躍が期待される。

 1メートル71、86キロ。上背は決して大きくはないが、抱く夢は大きい。「出塁率にこだわっていずれは首位打者を獲りたい。(日本代表の)U18W杯で後半は全く打てなくなったので、プロで代表に選ばれた時には打てるようにレベルアップしていきたい」と掲げた。

 既に先輩の技術も学んでいる。巨人の主砲・岡本和を参考にフォーム改造に取り組んでいた。動画サイトなどで構えや、タイミングの取り方を学んできたといい、3年春の四国大会後に構える(トップの)位置を下げた。「雰囲気やオーラも打席の中で出せるようになった。自分が投手なら怖いなと感じる」。夏の甲子園大会では3本塁打を含む、打率.700と結果を残し、高校通算68本塁打を積み上げてみせた。

 将来的な目標は「指導者として高松商に帰ってくること」と言うが、同校の野球部の長尾健司監督からは「トリプル4(4割、40本塁打、40盗塁)を達成するまでは帰ってくるな」とまさかの指令が出された。

 「初めて言われました。大きなことは言えないですけど、プロの球に対応できるようにやっていきたい」

 恩師から飛び出した予想外の言葉も期待の表れだ。香川の地から、大きく羽ばたいていく。(長谷川 凡記)

 ≪浅野の父・幹司さん 指名にホッ≫浅野の父・幹司さん(53)は高松商の応接室で指名の瞬間を見届けた。この日の朝には高松の総鎮守である石清尾(いわせを)八幡宮を家族で訪れ祈願したといい、巨人との交渉権が確定すると、「本当に指名いただけて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。プロの扉を開く息子には「下積みも必要になるかと思うけど、頑張ってほしい」とエールを送り、活躍を楽しみにしていた。

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2022年10月21日のニュース