ロッテ・朗希の思いは陸前高田にもあり続ける 地元有志で後援会設立

[ 2022年3月11日 05:30 ]

笑顔で空を見上げる佐々木朗(撮影・沢田 明徳)
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 ロッテ・佐々木朗の地元・岩手県陸前高田市職員の村上知幸さん(51)が中心となり、3月中に後援会「佐々木朗希選手を応援する会」を発足させることが10日までに分かった。高田小3年時に入団した高田野球スポーツ少年団の元監督でもある村上さんは、3年目を迎える教え子の飛躍を願い、25日の開幕までの立ち上げを目指している。

 陸前高田市役所は、津波で被害を受けた高田小の校庭跡地にある。朗希少年が野球を始めた場所で、現在はスポーツ交流推進室長として勤務する村上さんは「いい投球が続いているので、凄く期待している。(活躍は)元気になりますし、こちらでも盛り上げたい」と、開幕前に後援会を立ち上げるつもりだ。

 少年時代を知る地元有志で結成する「佐々木朗希選手を応援する会」。2年目の昨季にプロ初登板を含む11試合に登板して3勝をマークすると、周囲も慌ただしくなり「今年は飛躍する年じゃないかと、ざわざわしてきた」と立ち上げまでの経緯を説明した。

 村上さんは1月9日の市内で開かれた成人式で再会した。「後援会つくるからよろしくね」と声を掛けると、佐々木朗も「分かりました」と笑顔で快諾したという。震災で父を亡くした後に大船渡市に引っ越したが、村上さんは「それでも朗希の思いは高田にもあって、成人式にも来てくれた」と喜んだ。

 昔話にも花を咲かせた。小3の11月に初めてマウンドに上がって無失点に抑えたこと。その日の対戦相手――。そして気になるのは今後のこと。「ローテーションを守って1年間投げられるのか聞いたら、“どれぐらいできるか、まだ分からないですね”と言ってましたね」と振り返るが、今春実戦3試合、10イニングを無失点と順調だ。

 6月に楽天の2軍戦が行われる高田松原第一球場では、収容人数などの問題で1軍の試合は開催できず、佐々木朗の凱旋登板は難しい状況。それでも、村上さんは「後援会で野球教室をやりたいと思っている。その時は来てもらって投げてもらえればなと思う」と青写真を描く。故郷によみがえったグラウンドで再会できる日を待ち、地元からそっと教え子の背中を押す。(田中 健人)

 ▽陸前高田市 岩手県の南東部に位置し、三陸沖に面する。東日本大震災では沿岸部を中心に市内で4000棟以上の家屋が倒壊し、死者・行方不明者合わせて1700人以上の犠牲者が出るなど、県内では最大級の被害を受けた。

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