国際ドラフト導入 賛否あるにもかかわらずMLBが一方的に提案、再び深まった溝

[ 2022年3月11日 02:30 ]

MLB労使交渉

大リーグ選手会本部が入ったビル(撮影・杉浦大介通信員)
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 【記者の目】国際ドラフトの導入はMLBのかねての懸案事項だった。選手会と認識の違いはあれど唐突に持ち出した話題ではない、というのが言い分だろう。

 ドミニカ共和国をはじめとする中南米諸国では、10代前半の若手有望株がブローカー(仲介人)を通じてチームと契約し、大金がブローカーに流れる「汚いシステム」が確立。透明化の手段として国際ドラフトにはメリットもある。9日の労使交渉の合間にはMLBの担当者が報道陣に国際ドラフトについて説明する機会を設け、選手への金銭面の恩恵も大きいことを強調していた。

 ただ野球人気が高いドミニカ共和国では国際ドラフト導入で一獲千金を狙うトレーナー、コーチの仕事はなくなり、同時にブローカーから金銭的な援助を受けている経済的に恵まれない少年たちがプレー機会を失うという見方もある。こうした賛否があるにもかかわらず、MLBは一方的に提案してしまった。

 埋まりかけていた溝は再び深まった。泥沼の長期戦となる可能性もある。(杉浦大介通信員)

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2022年3月11日のニュース