楽天開幕投手は則本 岩隈超え球団最多7度目、東北背負い「3・11」特別な登板「魂込めて」

[ 2022年3月11日 05:30 ]

キャッチボールを始める楽天・則本(撮影・篠原 岳夫)
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 楽天の則本昂大投手(31)が、3月25日のロッテとの今季開幕戦(楽天生命パーク)で、開幕投手を務めることが決まった。自身2年ぶり7度目の大役で、6度で並んでいた岩隈久志を抜いて球団歴代単独トップに。11日のDeNA戦(静岡)で先発予定で、東日本大震災から復興の歩みを続ける「東北の象徴」として全力で腕を振ることを誓った。

 「3・11」の前日に、満を持して大役が公表された。「今年は則本にチームの一歩目を託してスタートしたいと思います」。石井監督は就任2年目のシーズンの先陣を切る“エース”に、選手会長でもある右腕を指名した。2月のキャンプ中に「チームの一発目を任せるので、勝ってくれよ」との言葉を添えて役目を告げた。

 田中将や岸ら実績ある好投手がいる中、則本を指名したのは昨季チームトップの11勝を挙げたから、という単純な理由ではない。「開幕投手とは、チームが負けてはいけない時に(相手に)立ちはだかってくれる投手。年齢的にも一つ上のレベルを求めて、シーズンを通してやってほしい」と指揮官。重圧を乗り越えて結果を出し続ける。その覚悟を持つことで、より高みを目指してほしいという願いが込められている。

 勝てば岩隈を抜き、勝利数でも球団史上最多の4勝目となる。「3回勝っているけど、(2回)負けている試合もある。チームとして良いスタートが切れるように勝ちたい」と則本。開幕が6月にずれ込んだ20年は敵地でオリックス相手に白星を挙げたが、無観客試合だった。現在は本拠のある宮城県では観客動員の上限がなく、開幕戦は既に一部席種の入場券が完売。売れ行きは昨年比で約5割増だそうで「僕たちはファンの皆さんの前でプレーすることが仕事。たくさんのファンの方に勝利を届けたい」と表情を引き締める。

 11日は東北にとって特別な日。DeNA戦で先発する則本は「11年たってもまだ完全に乗り越えたわけではない。僕たちは東北を背負ってプレーしている。風化させないためにも、魂込めて腕を振り続けたい」と言い切った。13年の歓喜を知る選手会長が、開幕戦のマウンドでチームの決意を体現する。(重光 晋太郎)

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2022年3月11日のニュース