「奇跡の一本松球場」で6・4楽天2軍戦 コロナで2度延期経てプロ公式戦ついに実現へ

[ 2022年3月11日 05:30 ]

6月に楽天の2軍戦が行われる「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」
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 陸前高田市に20年8月に完成したのが「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」(高田松原第一球場)。6月4日に初のプロ野球公式戦となるイースタン・リーグ、楽天―巨人戦が開催される。これまで新型コロナの感染拡大でプロ野球の2軍戦開催が2度流れており、同市職員の村上知幸さん(51)も「子供たちに見てほしいですね」と期待している。

 かつて市内に存在した高田松原球場は、東日本大震災で津波にのみ込まれ、照明灯だけが残った。プロ野球の2軍戦開催に備え、11年3月上旬にほぼ改修工事を終えたところだった。「豪華な球場じゃなかったですけど、僕らからしたら楽しみだった」と振り返る。

 村上さん自身、旧高田松原球場で巨人―西武の2軍戦を観戦したことがあり、当時の西武の選手にサインをもらった。「そのプロ野球選手との思い出があったから、高校野球までやれた」と励みにして、高田で88年夏の甲子園に外野手として出場した。地元ではプロ野球を観戦するだけでも貴重な体験。村上さんは「そういうことが子供たちに伝われば」と願った。

 ▽高田松原第一球場 20年8月に完成。楽天と陸前高田市が17年3月に結んだスポーツ交流活動のパートナー協定の一環として、愛称を「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」とした。両翼99メートル、中堅122メートル。収容人数は約4500人。

 ▽奇跡の一本松 広田湾に面した旧高田松原の跡地に残る松の木。高田松原は国の名勝にも指定され、350年にわたって約7万本の松の木が植林されていたが、東日本大震災の津波で壊滅。その中で、西端にあったこの一本が立ったままの状態で残った。震災復興のシンボルとして周辺を含めた保存整備が進められている。

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