広島・坂倉 捕手&三塁の「新・二刀流」でフル回転誓う「ベンチにいる人たちに恥じないように守りたい」

[ 2022年3月11日 05:30 ]

捕球練習する広島・坂倉将吾(撮影・奥調)

 広島・坂倉将吾捕手(23)が10日、11日の日本ハム戦(マツダ)からの1軍合流を前に、捕手と三塁を両立する「新・二刀流」への決意を示した。上半身のコンディション不良はすでに完治し、2軍では挑戦中の三塁でも実戦出場。守備位置にこだわらないフル回転で得点力不足を解消する役割を担う。

 新たな役割への準備を進めて戻ってきた。1月下旬に発症した上半身のコンディション不良により続いていた2軍調整は終了。「上半身のケガは初めてだったので、ひとまず帰って来られて良かった」。大野練習場での2軍練習を終えた坂倉は、荷物一式をマツダスタジアムに移動させた。その中には三塁用のグラブも入っていた。

 昨秋から三塁に挑戦し、一塁を主戦とする新外国人・マクブルームの加入に備えてきた。2軍では対外試合2試合に出場して捕手と三塁で先発。昨季は捕手と一塁で62試合ずつ守ったものの、今春は練習を含めて一度も一塁には入っていない。首脳陣が見据える捕手と三塁を両立する「新・二刀流」に向けて時間を割く春となった。

 「(守備位置は)自分でどうこうできる問題ではないので、言われたところで(やるだけ)。違うポジションから来て出る責任感もある。そこのポジションの人を押しのけて出るわけなので。やれと言われれば、ベンチにいる人たちに恥じないように守りたい」

 全ては、昨季リーグ2位の打率・315を残した打力を最大限に生かすためだ。6日の教育リーグ・中日戦では右翼へのソロを放つなど、すでに強いスイングは取り戻している。

 「悠長なことを言っていられる立場ではないので、与えられた打席の中でどんどん感覚を研ぎ澄ましていきたい。何打席(立ちたい)とか言える立場ではないので、もらえた打席を大事にやりたい」

 オープン戦は計8試合17得点でチーム打率・208と打線に元気がない。朝山打撃コーチが「4番も5番もあり得る」と言及したように、坂倉がいまだ形の見えない中軸の一端を担うことは確実で、打線を活性化させる役割も求められている。

 「僕一人で変わるものではないけど、本当に一人一人が頑張るしかない。昨年までの(鈴木の)4番像が高すぎるので…。でも、そこに近づけるように、まずは自分の打撃をして、ああいう成績が残ればいいかなと思います」。開幕まで時間はない。打撃も守備も一気に仕上げていく。(河合 洋介)

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2022年3月11日のニュース