阪神・糸井 最年長40歳MVP「自分自身に歯向かった」 開幕スタメンへ決死のフルメニュー消化

[ 2022年3月1日 05:30 ]

<阪神春季キャンプ>フリー打撃で快音を響かせる糸井(撮影・椎名 航)
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 阪神の野手MVPに選出されたチーム最年長の糸井は、若手との切磋琢磨(せっさたくま)に充実感をにじませた上で、開幕スタメン奪取に向けて気持ちを引き締めた。

 「うれしい。ただ、僕も若い子らと一緒にやることによって、体が動いたし、もっと若い子らはしんどいことをやっている。逆に僕からしたら、みんなの方がMVPです。まあ頑張れたので、(勝負は)これからですね」

 実はキャンプ全日程が沖縄・宜野座になった12年以降では、最年長MVP。文字にするのは容易だが、並大抵のことではない。

 7月に41歳を迎えるベテランの不退転の覚悟は、練習姿勢が雄弁に物語った。昨年までは一任されたマイペース調整だったが、今年は違った。キャンプ初日から一塁で特守に取り組むなど若手たちと同じくフルメニューに励んだ。定位置の座を再び奪うために休日返上で汗を流すなど、勝負できる体をつくった。

 打撃面でも藤井康1、2軍巡回コーチから「4スタンス理論」を用いた指導を受けるなど、不惑にして新境地も開拓。「この年になって、ほぼフルメニューできたというのは自分自身には“歯向かっている”」と独特の言い回しで振り返ったが、その笑顔には充実感が漂った。矢野監督も「最年長でありながらフルメニューをやって結果も出して。若い選手全員が見ている」と背中で語った背番号7の躍動に目を細めた。

 今春の紅白戦を含む実戦では6試合で15打数6安打、打率・400。流した汗は結果に反映されている。4日からのオープン戦でも威厳を示し、開幕スタメンをたぐり寄せる。(長谷川 凡記)

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