阪神・秋山 フリー打撃初登板で驚異のストライク率80%超え 進化を証明「しっかり投げられた」

[ 2022年2月14日 05:30 ]

フリー打撃に登板し、新背番号「21」を背に気合の入った表情で投球する秋山(撮影・平嶋 理子) 
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 阪神の秋山拓巳投手(30)が宜野座キャンプ第3クール最終日の13日、今春初のフリー打撃に登板した。マルテ、ロハスに対して55球を投じボール球はわずか10球。ストライク率81・8%と、武器である制球力を誇示した。19日の楽天戦(金武)で今春初実戦のマウンドに上がることも判明した右腕が、セ・リーグの投手では唯一挑戦権のある3年連続2桁勝利を目指すシーズンへ第一歩を踏み出した。

 捕手のミットはほとんど動かない。フリー打撃登板とはいえ、宜野座のマウンドで際だった背番号21の制球力。秋山が今春初めてとなった打者相手の投球で持ち味を発揮した。

 「ストライクゾーンに投げる感覚を養うのが一番の目的だったのでしっかり(ストライク)ゾーンに投げられていたので良かった」

 キャンプインから連日のようにランチ特打を行ってきたマルテ、ロハスの両助っ人に対し7本にとどめた安打性は重要ではない。55球を投げ、実にストライクゾーンに投げ込まれたのは45球。昨季は、先発ではリーグ4位のストライク率67・5%で、自己最多の12勝を挙げた17年にはリーグ1位に輝いた。調整段階とはいえ“精密機械”のスイッチは完全に「ON」に切り替わっていた。

 「ほとんどストライクゾーンに投げられたし、内容のあるバッティングピッチャーだったと思います」。マルテには左翼越えの一発を許したものの「マルテも良いスイングしてたなと感じた」と振り返る余裕があった。カーブも交えながら、球種もほとんどが直球。キャンプインから重点的に投げ込んでいる投球の基本となる球種をしっかりとゾーンに投げ込むことが主目的で、質の高い内容だったことは言葉の端々からもうかがえた。

 今オフは捻転動作を加える新フォームにチャレンジ。上げた左足を着地した際に、体を止める意識で間をつくれれば「ひねり」が生まれる。さらなる進化を目指し、ブルペンでも精力的に腕を振ってきた。フライピッチャーの生命線でもあるボールのホップ成分も数値では向上しており、手応えは十分。打撃投手を務めたことで、調整のステージは次の段階に入った。

 19日の楽天との練習試合(金武)で先発し、今春初の対外試合のマウンドに上がることも判明。15日からの第4クールでは変化球の精度向上にも取り組み、実戦モードに切り替えていくつもりだ。
 「数(球数)はこなせているので、より実戦をイメージして変えていければと思う」。開幕への道筋、そして投げ込むボールにも寸分の狂いもない。(遠藤 礼)

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2022年2月14日のニュース