ソフトB・上林 「イチ流」で打撃復活に手応え 藤本監督のマンツーマン指導で原点回帰「前さばき」実践

[ 2022年2月14日 05:30 ]

藤本監督(左)の前で打撃練習する上林(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 原点回帰で復活だ。ソフトバンクは宮崎春季キャンプ第3クール最終日の13日、降雨のため室内で練習を行った。9年目の上林誠知外野手(26)が藤本博史監督(58)からマンツーマンでみっちり打撃指導。指揮官は「前さばき」の打撃で強打復活を期待した。かつてイチロー氏に憧れた「走攻守」三拍子そろった鷹の背番号51が外野の定位置奪還を狙い、キャンプ後半へ加速する。

 室内練習場に快音が響いた。藤本監督は約5メートルの距離から防球ネット越しに緩いボールを投げ、上林がはじき返す。テーマに掲げた「前でさばく」を実践すると、打球は威力を増した。

 マンツーマンでの打撃練習を終えた指揮官は「ここ3年間、悩みまくってる。緩い球を自分のポイントで打ちなさいと。元に戻してポイント前です」と意図を解説した。

 藤本監督が求める「前でさばく」の理想像はかつて、同じ背番号51で安打を量産したイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)だ。鷹の51番の憧れでもある。「イチローのようになりたいと言って(仙台育英から)入ってきた。(その時は)前さばきやった」と上林の入団当時を振り返る。

 5年目の18年は打率・270、22本塁打で外野手のレギュラーを獲得。13盗塁を記録した俊足と強肩を備え、開花したかに思えた。ところが、19年以降は3季連続で打率1割台。昨季も開幕スタメンを逃し、出場は39試合。11打点、打率・191に低迷した。

 2軍監督時代から指導している指揮官は、復活を狙う上林に「まずは1年間2割」と最低限の数字を要求。ボールを捉えるポイントが体に近くなり窮屈になっていた打撃を修正し、その上で「前で打つことに(本人も)納得している。今年はいけるんじゃないかと思います」と期待を寄せた。

 上林は「自分のポイントで打った時はスピードが変わる。前で捉えた方がヒットになっている確率は高いと思う」と原点回帰に手応えを語った。今キャンプでは紅白戦2試合で7打数3安打1打点と好調を維持している。

 外野の定位置奪還に向け「タイミングが合えば、ある程度の打撃内容は出てくるので、一番大事にしたい」と力を込める。26歳の中堅となった背番号51が「イチ流」で復活を狙う。(柳内 遼平)

続きを表示

この記事のフォト

2022年2月14日のニュース